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「ガレキは辛いんです。廃棄物、混合ごみ、混入土砂… どんな言葉で言い替えたって辛いんです。」

ジャーナリストで、ノンフィション作家の丸山佑介さんの最新刊「ガレキ」(ワニブックス)を読みました。

本の帯には、次のように書かれていました。

「東日本大震災で発生したガレキの受け入れを通じて、あらためて”絆”を問う魂のルポルタージュ!」

「震災ガレキと今なお対峙する被災者、苦悩する行政、広域処理に反対する市民、受け入れを表明した首長たちの”心の声”がここにある!」

「本当に受け入れて欲しかったモノは、放射能なんて付いていない、心の奥にある清らかな優しいモノのはずだった」(被災地の女子高生の言葉)

「ガレキ」は、「瓦礫」ではありません。
何度か、被災地を訪ねて、うず高く積まれた「瓦礫」の山に
引き寄せられるように近づいて、
目を凝らして見た瞬間から、「瓦礫」は「ガレキ」に変わります。

「絆」という、平時であれば、あまり見向きもされない言葉に
まるで日本中がわき返ったような状態になった震災直後から、
1年半を過ぎた今、
時折、街中で見かける「絆」と書かれたポスターが、
色あせたり、破れたりしているのと同じように、
被災地のことが段々と、忘れ去られようとしているのは
悲しいことです。

これから、短い秋を駆け抜け、また厳しい冬を迎えようとしている
被災地で暮らす人々。
1日も早い復旧・復興に向けて、
先頭に立ち、被災地で踏ん張る首長たちの言葉が、心に響きます。

「自然災害は被災した皆さん、あるいは宮城県民の責任ではありません。
ガレキ、ガレキとも言われますが、
皆さんの家から不要物として出されたゴミではありません。
このガレキは誰もが自分の意思で出したわけではないのです。
それどころか、
どんなものであっても、ひとつひとつがこれまでの大事な財産だった。
個人の資産だった。
大切な宝物ばかりで誰にも奪われたくない大切なものだった。
それが昨年3月11日に突然津波により流されてしまった。
その結果がガレキとなっている。
ガレキを出した当事者意識を持っている皆さんひとりひとりは
むしろ被害者なのです。
よって気にすることはありませんし、
誰にも臆することはないのです。
…中略
もしこのことで反対意見を持つ人がいたら、
少しだけ考えてみていただきたい。
すでに震災から1年以上が経過した現在でも
ガレキの中からはいろいろなものが出てきます。
その中には、津波に飲まれる瞬間まで生活の空間にあってであろうと
思わせるものだってある。
私たちはひとくくりに「ガレキ」というひとことで片付けてしまいがちですが、
ひとつひとつの中に人生やドラマが含まれているのです。」
(宮城県知事 村井嘉浩さんへのインタビューから)

「もともとガレキは市民の財産だったものです。
ガレキの山は遠くから見れば廃材ですが、
近づくとひとつひとつがわかる。
子どものおもちゃだったり、洋服だったり、
家具の欠片だったり、本の切れ端だったり、
生活雑貨だったりする。
家族が見れば自分の家のものだとわかります。
もしかしたら亡くなった人のものかもしれない。

ガレキは辛いんです。
廃棄物、混合ごみ、混入土砂…
どんな言葉で言い替えたって辛いんです。

それが自分の前に取り残されていて、
まだあることは大変辛い。
それは自分の子供を轢き殺した車が
玄関に置いてあるようなものだからです。
…中略

ニュースでガレキ問題が放送される。
それは、ただでさえ思い出したくないことを
またクローズアップされることになる。
…中略

陸前高田だけではなく被災地の人からすれば、
被災した日から、ずっとそこにあるものなのです。
広域処理で運ばれる先の事情ばかりが注目され、
ガレキを生みだした地域にいる被災者の感情が
置き去りにされていることで、
余計に感情論で語られているように思います。
被災地の現状からすれば、一刻も早く片付けてしまいたい。
片付けるためには感情を抜きにした処理を迅速にするべきなんです。

ただし、みんなが安全で安心できるように
科学的根拠をきちんと示す。
ガレキの処理の話なんて通過点に過ぎないはずなのに、
そこで躓いてどうするんだと思うのです。」
(岩手県陸前高田市長 戸羽太さんへのインタビューから)

「ガレキは辛いんです」
「仮設住宅での暮らしは辛いんです」
「仕事のないことが辛いんです」
数えきれないくらいある被災地の「辛いんです」を
被災地以外の私たちが、
最大限の想像力を働かせて、
考えてみることの必要性を、
いま一度、気づかせてくれる素晴らしいルポだと思います。

断りなく、本から引用してしまったことをお詫びしながらも、
たくさんの人にぜひ、読んでいただきたいと思う気持ちを
ご理解していただければと思います。

来週半ばに、福島に行ってまいります。
震災の影響で、仕事が減ってしまった須賀川市の作業所を
訪問させていただき、
首都圏の企業さんにご協力いただいて、出していただけることになった
仕事の仲介をさせていただくことが訪問の目的です。

今、私が働いているスワン移行の障害のある利用者も同行してくれることになりました。

自分にできることは、本当にわずかなことですが、
息長く、続けていきたいと思います。
それが、被災地で「ガレキ」を目の当たりにした者の
「責任」ではないかと思うのです。

Bookgareki

「ガレキ」(丸山佑介/ワニブックス)
ぜひ、お読みください。

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東日本大震災による被災障害者施設の復興支援」カテゴリの記事

コメント

馬鹿だね
放射能ぶち蒔いてなにがしたい?
福島には、もうだれも住めないよ!!!
そんな事も分からないの?
愚か者!

投稿: | 2012年10月 5日 (金) 20時29分

IPアドレス: 240f:13:b011:1:7119:a732:2203:6953さんへ

公開したコメント自体、どうしようもない内容のものですが、あなたが更に悪質なのは、このコメントの前にもう1本、他人の名前を騙って、私とその人の関係を壊すことを目的とするコメントを投稿していることです。

今回は、もう、これ以上、触れませんが、馬鹿で愚かな行為を繰り返すのは、もうおやめになってください。

投稿: 天野 | 2012年10月 5日 (金) 22時17分

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