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「みんなでささえあってきた体験が、きっと今後に生きてくるにちがいない」という気持ちを強くした「安居楽業ゼミナール ささえる」の研修会

 12月15日、16日の2日間、きょうされん主催の「安居楽業ゼミナール ささえる」に参加しました。全国から約120名が参加しし、2日間にわたる講義の中では、幅広い分野の方からお話を伺うことができました。

 私(竹内)が最も印象に残ったのは、南相馬市の「デイさぽーと ぴーなっつ」施設長の郡信子氏、「石巻地域総合生活支援センター」の村上仁氏、神戸市の「社会福祉法人かがやき神戸」理事長の池山美代子氏の3名をシンポジストに迎え、企画されたシンポジウムでした。ここでは、障害のある人を「ささえる」という観点から、3月11日に起きた東日本大震災、そして、16年前の阪神・淡路大震災を振り返り、さまざまな報告や問題提起がなされました。

 「らいむ」やウィズ町田も、東日本大震災の直後から、法人職員を交代で、被災地の施設やJDFみやぎ支援センターに派遣し、支援をおこなってきています。法人職員からの報告は受けていましたが、被災された立場からの生々しい報告をお聞きすると、改めて、被災地で暮らす障害のある人や職員には、今なお、現在進行形で「心の傷」や「戸惑い」、「不安」があつことを強く感じさせられました。

 3名のシンポジストの方が共通して、お話してくださったのは、被災して、大変困難な状況にある中で、多くの人々の「ささえ」や「後押し」があったこと。それがあったおかげで、「自分たちはひとりではない」「全国とつながっている」という安心感を持つことができたということです。

 震災直後、妊娠中の職員が激しい揺れの中、医療的ケアが必要な障害のある人をベッドの上に覆いかぶさるようにして、命がけで守ったこと。

 避難経路を確保するために、職員が出入口のドアを開けると、閉めてしまおうとする重度の自閉症の方が、パニックにならないよう必死になだめたこと。

 大混乱の中、わが身の安全よりも、障害のある人たちの安全を気遣った職員の人たちの行動力や決断力を本当に素晴らしいと思いました。

 震災後に発生した原発事故により被害に追い打ちをかけられた南相馬市では、ある夜、行政から3つの選択肢の通告を受けました。

 ①は、バス45台を準備したので、避難を希望する住民は明朝8時に集合場所に集まること。

 ②は、ガソリン10リットルを支給するので、各自で避難すること。

 ③は、水道、ガス、電気の使用は可能な状態なので、そのまま残って生活すること。

 行政にとってもギリギリの対応であることは理解できますが、健常の人でもとっさに判断することは難しい選択であり、障害のある人や家族の多くは、結局、残らざるをえない状況になりました。

 避難所の生活を受け入れることが難しい重い障害のある人たちは、避難所を出て、自宅や車中で過ごすことになりました。仮設の入浴設備があっても、慣れないお風呂に入ることができない人、不安が強まり、パニックや自傷行為が激しくなる人など、日が経つにつれて、深刻さは増し、障害のある人や家族のストレスも限界に近づきました。

 まずは日中だけでも、安心して過ごせる場所を再開したいと、行政に施設や作業所の再開を申請しましたが、なかなか受け入れてもらえず、さらに苛立ちがつのりました。

 そうした状況の中で、JDF支援センターふくしまが、自主的な再開に向けて、背中を押すようにささえてくれたことが何よりも嬉しく、力になったといいます。

 現在、生活の基盤は、少しずつ整ってきてはいますが、一番大事な収入を得るための仕事がない状況が続いています。「仕事」をつくりだすために、南相馬の8つの障害者事業所が共同して、JDF支援センターふくしまの力を借りて、「南相馬ファクトリー」という事業を立ち上げました。

 ここでは、障害のある人が、働く喜びや仲間といっしょにいる喜びをかみしめながら、日々、「缶バッジ」製造などの作業にとりくんでいます。「らいむ」でも支援活動の一環として、この「缶バッジ」を取り寄せ、販売しています。ご協力していただける方がいらっしゃいましたら、ぜひ、お問い合わせください。

 震災は辛く、悲しい体験であったが、障害のある人もない人も、利用者も職員も関係なく、みんなでささえあってきた体験が、きっと今後に生きてくるにちがいないという言葉に希望を感じました。

 まだまだ語り尽くせないほど内容の濃い2日間でしたが、この研修に参加させていただいたことで、被災地の復興にむけて、私にできる支援を精一杯させていただきたいという気持ちが強くなりました。また、障害のある人の思いや願い、暮らしに寄り添うことのできる支援者になれるよう一層、努力していきたいと思いました。

(竹内 広美)

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