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さわやかな風が通り過ぎるようなボランティア活動を心がけたい

 東日本大震災の発生以来、東北地方のブロック紙「河北新報」さんの記事をこのブログでも何度も紹介させていただいている。地方紙ならではの、地元に密着した生活感あふれるニュース記事はもとより、被災地・被災者の視点から、悲しみを乗り越え、復興をめざす朝夕刊のコラム「河北春秋」や「河北抄」の内容は、いつも心を震わせ、勇気づけてくれる。このような地元紙があることは、被災地の人たちにとってもきっと大きな誇りであろう。

 同紙の連載に、被災地で奮闘するボランティアを取り上げた「助け合う力 大震災とボランティア」という特集コーナーがある。本日(5月28日)は、被災した障害のある人やお年寄りを病院などへ送迎する支援にとりくんでいる北海道の災害移動支援ボランティア団体Rera(レラ)さんの活動が紹介されていた。

 リフト付車両を4台を含む計8台の車両を被災地に持ち込み、運転手と介助者の2人1組で、病院への送迎を中心に、利用される方のニーズに応じて、スーパーや入浴施設などへの送迎も無償でおこなっているという。送迎途中に花見会場や松島海岸に寄り道して、被災地の人たちの心を癒すようなこともあるという。ただ単に、目的地に人を運ぶだけでなく、被災した人たちの心に寄り添ったプラスアルファの支援を心がけていらっしゃることに敬意を表したい。

 「今後の課題と活動は?」という質問に、活動リーダーの番場さんは次のように応えられていた。

 「需要がある間は(活動を)続けたい。単なる無料タクシーにならないよう、どこまで支援対象にするか線引きが悩ましい。最低限の交通手段は本来、地元行政や民間企業で確保するべきこと。いずれは活動を石巻の方々に引き継ぎたい。運転、介助ができる人を求めている」

 番場さんの話す通り、本来はこうした活動は、行政が実施すべき活動だ。しかし、役場の人たちもまたご自身が被災者であり、疲弊しきった被災地全体の復興をめざす上では、すぐに手のつけられない課題がたくさんあることもまた自明だ。

 深刻なニーズがあり、とても必要なことであっても、地元行政がすぐに手をつけることができない問題の解決のために、ボランティアとして、できることをやる。JDF(日本障害フォーラム」の「みやぎ支援センター」の活動もまた同じものである。

 「いずれは活動を石巻の方々に引き継ぎたい」…、この視点を絶対に欠かしてはいけない。復興支援は、自立支援でなければならない。「たとえ、被災地に行かれなくても、自分が暮らす町に居ながらにしてできる支援はたくさんある」と提唱して、町田作業所連絡会がとりくんだ「大物産展」のとりくみもこの視点に立っている。

 被災した障害者施設の就労支援事業(授産事業)を復興して、そこで働く障害のある人たちに元気になってもらう。お金を送るのではなく、彼らがつくった製品をたくさんの人々に買っていただくお手伝いをする。

 町田から発信したこのとりくみが、全国に広がっていっていることをとても嬉しく思う。もちろん、町田でも4月30日1回限りのとりくみに終わらせるつもりはない。「太く長い」支援にしていくために、次の計画に向けて準備を進めている。

 番場さんたちの団体名の「Rera」は、アイヌの言葉で「風」を意味している。素敵なネーミングだと思う。

 ボランティアは、被災地の真の復興や自立のためには、いつまでもそこに留まっていてはならない。ニーズが充足され、町が復興を遂げ、人々が自立に向かって歩き始めたときには、新たな活動の場所に向け、速やかにそこを立ち去らなければならない。

 外から吹いてくる風は、町で暮らす人々に様々なものをもたらす。中には、どうしようもないものを持ち込む困った風もあるだろう。風が通り過ぎた後、人々の笑顔が戻るようなさわやかな風になることを心がけたい。

 河北新報さんの件の特集コーナーは、下記リンクからご覧になれます。

http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1075/20110528_01.htm

(天野)

 

 

 

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