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2011年2月

「就職して、給料収入を得ると、障害年金がもらえなくなる!」ってホント?

「就労支援センターらいむ」の登録者の人から、タイトルのような質問を受けることが、よくあります。

相談者の中には、お医者さんから「就職できてよかったね」「今度から、年金の診断書は書けないから」と言われて、困り果ててしまっている場合もあります。

障害者雇用の現状は厳しく、就職したとはいえ、正社員の雇用契約を結んでいる人は、ほんのわずかです。

多くの人が、パートや準社員契約で、給料の額も最低賃金ギリギリという人がたくさんいます。

フルタイムの勤務で働くことがまだ難しい人もいます。

そんな人たちにとって、就職できたことはもちろん嬉しいことですが、就職したことによって、これまで支給されていた障害年金がなくなってしまうことがあれば、即刻、死活問題につながります。

さて、タイトルに挙げた質問に対する答えは、「NO!」です。

障害年金は、働いているからという理由で支給が停止されることはありません

障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)には、基本的に所得制限はありません。

その理由は自分で保険料を支払っているので、満額を受給する権利があるからです。

但し、20歳以前に傷病を負った人(生まれながらの身体障害や知的障害のある人など)の障害基礎年金については、本人が保険料を納付していないことから、所得制限が設けられています。

しかし、この場合も扶養親族がいない場合では、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」(「課税所得」)が、約360万円以上で、12額の支給停止、約460万円以上で全額支給停止となっていますから、(良くも悪くも)大半の人は、障害基礎年金の支給がなくなることはないはずです。(国民年金法・平成6年改正)

つまり、障害年金は、本人が死亡して、障害年金を支給する権利がなくなる(これを「失権」といいます)以外は、障害の状態がつづく限り、もらいつづけることができます。

但し、障害が軽くなって障害の等級に該当しなくなったり、労働基準法など他の保障を受けた場合には、「支給停止」になることがあります。

 冒頭に挙げた「就職できたから、もう年金の診断書を書けない」とお医者さんから言われて、困り果てているという相談者の事例は、この「支給停止」と関わるものです。

 こうした場合には、この情報紙をお医者さんに見せていただいても構いませんから、まずは、よく相談をしてみてください。

 たとえば、知的障害の人を例にあげれば、「その人が就職できたこと」=「その人の障害が軽くなった」と言うことはできません。

 なぜなら、知的障害は生まれながらの障害であり、症状が固定した状態にあるからです。

「その人が就職できたこと」は、たまたま、その人の障害を受け入れてくれる企業があったという「その人を取り巻く環境の変化」があったからであり、「その人の障害自体が軽くなった」というわけではないのです。(「障害者権利条約」の表現を借りれば、その人の労働に対する「合理的配慮」がなされたからだと言うこともできます)

 症状が固定された知的障害や身体障害の人に比べて、病気と障害が併存する精神障害の人の場合は、もう少し丁寧な説明が必要になる場合があると思います。

 ひとつには、知的障害の人などと同様に、「その人の症状や障害そのものが軽くなった」からではなく、周囲の環境が変化し(「合理的配慮」がなされ)、その人の労働に対する障壁が低くなったことが挙げられます。

 また、もうひとつには、仮に障害がいくらか軽くなったとしても、現在の厳しい雇用情勢の中で、就職して、働き続けるためには、まだまだ支えや補いが必要であり、社会が責任を持つとされる「合理的配慮」のひとつに障害年金の支給があること、また、本当に症状が回復して、約460万円以上の所得が得られるようになったときには、「喜んで、障害年金を返上する」意思があることをお医者さんなどに伝えて、納得を得ることが大切であると思います。

 自立した生計を維持するためには、「給料と障害年金」を合わせて考えるなど、多様な「働き方モデル」があります。自分に一番合った「働き方モデル」を「らいむ」でいっしょに考えていくことができれば良いと思います。

 ※上記の文章は、「らいむ」事業を経営する社会福祉法人ウィズ町田の広報紙「With」に毎号、折り込んでいる「らいむの就職情報提供紙」の記事から転載したものです。

 広報紙「With」では、「らいむ」の事業のほか、ウィズ町田の運営する各事業所の様子や、「障がい者制度改革推進会議」の動きなど、障害者福祉に関わる情報を、読者の皆様にお届けしています。

 広報紙「With」は年10回発行し、ウィズ町田後援会の会員の皆様のご自宅にお送りさせていただいております。

 広報紙をお読みになりたい方、ウィズ町田の各事業にご関心のある方には、ぜひ、後援会会員になっていただきたくお願い申し上げます。

 後援会へのお申し込み手続き等、詳しくは、下記URLをご覧ください。

http://nanairo.s1.bindsite.jp/with-machida.html 

 

今回は、最後は広告になってしまいました。ごめんなさい!

(天野)

 

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待ち遠しい! JFL開幕まであと5週間。

 いよいよ、2011年のJFL(日本フットボールリーグ)開幕まで、あと5週間を切りました。

 FC町田ゼルビアの、3月13日のホーム野津田での開幕戦の相手は、今季からJFLに昇格した香川県のカマタマーレ讃岐。昨季途中にゼルビアから移籍し、JFL昇格の原動力となった飯塚選手(讃岐のメッシ!?)、今季から移籍の鈴木祐輔選手(多摩陸の弾丸ミドルシュートは凄かった)が、在籍しており、昇格組とは言え、決して侮れない相手です。

 とは言え、JFLの先輩としては、絶対に負けることはできません。ポポヴィッチ新監督のもと昨年以上にパワーアップしたゼルビアの力を見せつけてあげましょう。

 私の方も、開幕に向けての準備は一応終わりました。クラブゼルビアの更新完了。年間チケットの手配完了。胸スポンサーが変更になったので、オーセンテイイクユニフォームも新調することにしました。(背番号は、もちろん11番!) 

 

 ウィズ町田の「スワンカフェ&ベーカリー町田店」の方も、先日、事務局のO氏が来店された際に、引き続き、「地域感謝チケットパートナー」として、ゼルビアを応援させていただくお約束をさせていただきました。一昨年から出店させていただいているゼルビア屋台村にも、今季も開幕戦から出店させていただく予定にしておりますので、昨年までと同様に、変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

 また、「今季は、ホームゲーム時の出店だけでなく、日常的にスワンとして、何かゼルビアを応援できたらいいね」という話を、店長以下スワンのスタッフと話をしています。これからゼルビア事務局とお話をさせていただくつもりでいますが、いくつかのお店でやられている「ゼルビ屋」の仲間入りをさせていただきたいと考えています。(店長からは、「来店時にゼルビスタの会員カードを提示していただいた方には、20%割引くらいのサービスは大丈夫!」と太鼓判をもらっていますから、早速、実現に向けて動き出すようにします)

 あと、個人的に是非やってみたいのは、「対戦相手を食べ尽くせ!」をコンセプトにした創作パンの販売。たとえば、開幕戦のカマタマーレだと、焼きそばパンならぬ焼きうどんパンとか…。お店のスタッフからは、ブーブー言われそうだけど、昨年の天皇杯新潟戦のときには、文句を言わず引き受けてくれた実績もあるので、なんとかお願いしてみるか!

 開幕までの5週間。本当はそんなことばかりあれこれ考えながら、楽しく過ごしたいと思いますが、実際は、年度末を控え、やらなければならないことがどっさりたまっています。(皆さんも、きっと同じですよね)

 それでも、仕事に詰まったとき、手を休めて、ゼルビアのことを考えると元気が湧いてきます。そんなチームがこの町田にあることをとても幸せに思います。

(天野)

 

 

 

 

  

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「日本版ソーシャル・ファーム」の導入検討を厚労省が方針化!?

 ソーシャル・ファームの記事を書いた1月31日のブログに、「さいたまのおっさん」さんからコメントをいただきました。関心を持っていただき、ありがとうございます。

 日本版ソーシャル・ファームの先駆的とりくみとして、国際シンポジウムの中でも紹介された大阪府箕面市の障害者事業所制度について、興味深い記事が、医療介護CBニュース・キャリアブレインの2月1日の記事にありました。短い記事なので、下記に転載させていただきました。

(タイトル):箕面市の障害者就労支援制度の導入検討ー厚労省方針

(本文):民主党政策調査会の「障がい者政策プロジェクトチーム(PT)」は、2月1日、16回目の会合を開き、障害者基本法改正について厚生労働省などからヒアリングした。

 この中で厚労省は、大阪府箕面市が独自に実施している障害者就労支援制度に、国のモデル事業として取り組むべきかどうかを検討する方針を明らかにした。

 箕面市独自の制度は、一定の要件を満たす障害者事業所や社会的事業所で働いた障害者の賃金が最低賃金の額に満たない場合に不足分を公費で賄うといったもの。

 厚労省によると、同省は会合で、障害者の最低賃金を確保するために箕面市の制度をこれから研究していきたいと説明した。ただ、一律に公費が使われないのは不公平感を生むなどの意見があるとして、「(国の)モデル事業にすべきか、その是非から検討したい」(担当者)という。

 会合は、政調の内閣部門会議と合同で、非公開で開かれた。テーマを雇用分野に絞ったヒアリングが実施され、2日は精神障害分野などについて行われる予定。(以上)

 箕面市の障害者事業所制度については、私も所属しているきょうされんの就労支援部会で、昨年8月に現地を取材し、関係者の方から制度についての詳しいお話をうかがいました。

 3月末にヤマト福祉財団の助成を受けて、発行を予定している報告書で詳しく触れるつもりですが、その時に感じたことは、

 現行の就労継続支援事業A型と比較しても、最低賃金の支給や労働法規の適用など事業所で働く障害者の労働者性(権利)が保証されており、事業所経営に障害当事者も参画することや、障害者雇用促進のための啓発活動をおこなうことが義務付けられているなど、欧州のソーシャル・ファームの考え方に近いものであること。

 また、コスト面を比較しても、就労継続支援事業A型と同等か、それを下回る公費で事業を賄うことができ、事業者の努力に応じて、事業拡大や待遇改善の可能性が高まること。何よりも働く障害者に、労働者、納税者としての誇りが生まれることが期待されること。

 一方で、この制度自体が箕面市という一地方自治体の努力によっておこなわれているものであり、福祉行政は地方自治体、労働行政は国という縦割り構造の中で、本来は雇用施策であるにもかかわらず、箕面市の福祉関連予算の中から公費が支出されているという矛盾(問題点)を感じました。(本来は、国の制度として、ナショナルミニマムとすべき制度であると思います) 

 

 こうした中で、今回、厚労省自身が、「障がい者制度改革推進会議」の「総合福祉部会」の構成員でもある箕面市長の提言を受け入れ、「国のモデル事業とすべきか」という検討をはじめる方針を打ち出したことは、小さいけれど確実な一歩前進であると思います。

 しかし、障害者基本法の改正にあたって、障害者権利条約に示される「合理的配慮」の文言を入れることに関してさえも、慎重姿勢を崩さない(というよりも、本音のところでは「入れたくない!」)のが、この国の(官僚)の現状です。(もちろん、そうではない人もいますが)

 欧州のソーシャル・ファームを手本とする真の日本版ソーシャル・ファームの実現のためには、まずは、3月末頃に通常国会に上程される「障害者基本法改正法案」の中で、「合理的配慮」の定義や必要性に関わる事項が明確に示されること。また、来年の通常国会に上程予定の「障害者差別禁止法」の中で、「直截的な差別や間接的な差別に加えて、合理的配慮を欠くこと自体が、重大な差別であること」が明記されることが、大切であると思います。

(天野) 

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