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2010年7月

「サッカーを楽しむ気持ち」を取り戻そう!

JFL後期第3節、聖地野津田のホームゲームで、ゼルビアは、HONDAに手痛い敗戦。

東北決戦で、秋田が仙台に負けてくれたお陰で、辛うじてJ昇格圏内の4位に踏みとどまったが、もうこれ以上は、絶対に負けることが許されない、崖っぷちに立たされた。

猛暑の中での14時キックオフは確かに厳しいが、それは相手も同じ。否、3連休の最中、浜松からバス移動の相手の方が条件的には厳しい。

前半、立ち上がりは、うまくゲームに入って、ゼルビアのペース。HONDAは、どちらかと言えば、引き気味に守ってのカウンター狙い。ゼルビアは、再三CKのチャンスを得るが、HONDAの鉄壁の守りを、どうしても敗れない。

猛暑の中では、攻め続ける方に、より消耗が激しい。前半の早いうちにチャンスをものにしておけば、気持ちの余裕もできて、オーバーペースを防げたかもしれない。

30分を過ぎて、足が止まり始めた瞬間を、巧者HONDAは、見逃さなかった。FKからの、素早いリスタートで、ゼルビアの右サイドの裏を狙った絶妙なスルーパス。パスを受けた選手が切れ込んで、鋭いクロスを上げる。相手FWの詰めも遅れていたので、スルーすれば、逆サイドに流れて終わったかもしれないが、必死に戻ったDFのヘッドが無情にも味方ゴールに突き刺さり、痛恨のオウンゴール。

DFは、本能的にクリアに行くので、あのオウンゴールは攻められない。問題は、相手がFKを得た際、レフリーに抗議に行き、相手の素早いリスタートを許してしまったこと。サッカーでは、レフリーの判定は覆らない。気持ちをさっと切り替えて、すぐにボールを追う体制をつくらなければやられてしまう。

あってはならないことだけれど、暑さで疲れ、レフリーに抗議することで、ほんの少しでも足を止めたいという気持ちが、無意識のうちに生じていたのかもしれない。

それでも、前半が終わった時点では、まだ、ゼルビアの方に風が吹いていたように思う。自分自身も「今日はいける」という気持ちの方が強かった。

風上に立った後半。なんとか早い時間に1点返せさえすれば、必ず逆転できる。そう信じて、声援を送り続けた。

しかし、ゴールが遠い。ゴール裏で見ていると、ボールを持ったゼルビアの選手と、相手DF、GKとの間に、ポッカリとシュートコースが開くのが見える瞬間が幾度もある。「打て、打て!」と声を上げるが、選手に届かないことがもどかしい。風上の優位を活かして、もっと積極的にミドルでも何でもシュートを狙えば、チャンスはきっと生まれるはずなのに…。

パスをつなぐサッカーは美しいが、パスをつなぐことを目的にしてしまっては本末転倒になってしまう。ミドルシュートを積極的に打つことで、相手DFも前に出ざるを得なくなる。ミドルシュートを狙われることで、GKの判断を狂わせることもできる。ペナルティーエリア内でしかシュートを打ってこないゼルビアは、相手GKにとっても、比較的、見極めがつけやすい。

後半の失点も、焦る気持ちから生まれた一瞬の隙をつかれてしまった。相手を倒してPKを献上してしまった選手以外、誰も相手選手を追っていない。「誰かが止めてくれる」「誰かがマークについているはず」という甘えや気の緩みが、これもまた無意識のうちに、芽生えていたのではないだろうか?

結果的には、厳し過ぎる判定で退場となってしまったが、前半のオウンゴールを挽回しようと、ただ一人、必死に相手を追った深津選手を誰も非難することはできない。だから、深津選手、顔を上げよう。ピッチで犯してしまった失敗は、次にピッチに立ったときに、取り返せばいい! 松本戦で見せてくれたような打点の高いヘディングシュートを期待している。

深津選手の退場の後、開き直った修行選手の果敢な飛び出しがなければ、きっともう1点奪われていたにちがいない。修行選手の魂のこもったひとつのプレーでようやく、ゼルビアの選手たちの動きが変わった。

後半の流れの中からの、山腰選手の得点は、必ず次につながる。願わくば、後半15分の全員の気持ちがゴールに向いたプレイを次のゲームでは最初から見せてほしい。

試合後、ゴール裏に挨拶に来た選手たちに、サポーターから厳しい声も飛んだ。見たこともないくらいの険しい顔つきで睨み返していた酒井選手。言葉にならない声で必死に思いを伝えようとしていた雑賀選手。

ゼルビアは、誰か特定の選手ひとりのチームではないことは、声を上げたサポーター自身も当然、わかっていらっしゃるに違いない。ピッチに立たない選手も含めて、選手とフロントとサポーターのみんなでつくりあげるチームだ。一人も欠けてはならないし、一人も欠かすことができないメンバーだ。

苦境に立ったときこそ、みんなが気持ちを一つにして、同じ目標に向かって、全力で走り抜こう。しんどいけれど、それは、きっと楽しいことだ。縮こまっていないで、もっと、「サッカーを楽しもう!」 そんな気持ちが何より大切だと思う。

(天野)

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ホーム野津田での残り2節の戦い方はどうあるべきか!?

 W杯期間リーグ戦は中断のJリーグを横目に、JFLは後期がスタート。ゼルビアの後期開幕は、対戦相手に佐川印刷を迎えて、ホーム野津田で初のナイトゲーム。

 石阪市長と川畑市議会議長による点灯式で初お披露目となった照明塔の光が、時間の経過とともにピッチを眩く照らし、少し靄がかった様子は、とても幻想的でした。夏場のJリーグの試合では当たり前のナイトゲームですが、地元でこうしてゼルビアのナイトゲームが観戦できるなんて、感慨ひとしおです。

 照明塔の光に負けないくらいのスペクタルなゲームを期待したのですが、結果は皆さんご存知の通りのスコアレスドローに終わりました。

 見た目には、緑鮮やかな野津田のピッチですが、芝がまったく根付いておらず、土の上にただ乗っかっているだけといった感じで、コンデションは「最悪」状態のようです。いずれにせよ、改修を控えた今期は、もうこのコンデションはそうやっても改善しそうにないので、野津田でゲームをおこなう残り2節は、ピッチ状態に対応した戦略が必要になりそうです。

 今回の後期第1節を終えて、今期ホーム野津田開催のゲームは全部で10試合。スコアレスで終わった後期第1節は省略して、前期のホーム9ゲームについて、「分析」してみました。

 ホーム9ゲームの勝敗は、6勝1分2敗で勝率は、67%。すべてのホームゲームで得点を上げており、総得点は27点(1試合平均3得点)。アウエーゲーム8試合の総得点が15点なので、昨年までのゼルビアと違い、今期はしっかりホームで得点を上げていることが観客動員にもつながっているように思います。

 総得点27点を、得点につながった状況別に分類してみると次のようになりました。

 グランダーのパスやドリブル突破など「地上戦」を挑んであげた得点=7点。

 浮き球によるクロスやパス、直接FKやセットプレーからのヘディングシュートや混戦の中からなど「空中戦」を挑んで」あげた得点=17点。

 PKおよびオウンゴールのその他の得点=3点。

 「空中戦」の得点が、「地上戦」の倍以上あることで一目瞭然。今期の野津田のピッチは、本来、ゼルビアが得意とするパスを巧みにつなぐサッカーとな、まったく正反対の状態になっています。

 もちろんスタジアムによってピッチのコンデションは違いますが、参考までにアウェーの8ゲームで上げた総得点15点を同じように分類すると、

 「地上戦」=6点、「空中戦」=7点、その他=2点というように、「地上戦」と「空中戦」の差は、ほとんどありません。「パスが得意」「セットプレーが得意」といったチームカラーはあっても、ピッチコンデションが普通であれば、「地上戦」と「空中戦」の差はそれほど極端に出るものでありません。

 ホームゲームでの失点、つまりは相手チームの得点の状況を見ると、更に顕著です。総失点10点のうち、相手の「空中戦」によるものが7点、「地上戦」によるものが2点、その他が1点になり、「空中戦」と「地上戦」の差が3.5倍にも広がります。ゼルビアも苦しみましたが、ゼルビア以上に対戦相手も野津田の芝には手こずったというわけです。

 今期初の敗戦となり、その後、調子を落とすきっかけとなった琉球戦の後、FC琉球のトルシエ総監督が野津田の芝を酷評していたという話を聞きましたが、対戦相手は、ゼルビアを研究してくると同時に、野津田のピッチコンデションに合った勝負を仕掛けてきたといえます。結果、10失点のうち、8失点が琉球戦以降の失点になっています。(その典型が高崎とのゲームだと思います)

 笑っても、泣いても、今期の野津田開催は残り2節。対戦相手は、前期苦杯を喫したHONDAと鳥取です。私自身、鳥取のホームはまだ訪れたことはありませんが、県をあげてJリーグ入りをめざしているチームのホームグランドが、現在の野津田以下ということは当然、ありえません。HONDAのホームグランドになる都田には、去年のアウエーで行きましたが、企業チームとは言え、照明設備もあるサッカー専用グランドで、芝の管理も行き届き、最高のコンデションでした。

 まずは、相手チームに「こんな芝ですみません」と頭を下げた後は、それはそれで開き直って、ホームアドバンテージを活かした戦い方で、ゲームに臨んでほしいと願っています。荒れたピッチの状態はもちろん今期限りにしても、ゼルビアには「雑草」のような逞しさで、HONDAと鳥取に挑んでもらいたい!

 今の自分たちにできることが何かを考えて、現実的な戦術を選択したことが岡田ジャパンの結果につながったことは誰もが知っている。ゼルビアが残り2節、野津田でやるべきことが何であるかは、当然、選手たちも分かっていると思います。

 Jリーグ入りの最低条件として示される1試合平均3千名の観客動員まで残り1万2千名。まずはHONDA戦で5千名、鳥取戦では、スタジアムのキャパを大きく超える7千名の動員。暑い夏だからこそ、サポーターを熱くさせてくれる選手たちの活躍を期待しています。

(天野) 

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仕事では、次の人にしっかりバトンをつなぐという気持ちが一番大切

 4月末から週1回、市ヶ谷にある企業にジョブコーチ支援に通っています。

 この会社では、昨年の11月から、発達障害(アスペルガー症候群)のある25歳の女性が、事務職として働いています。

 ご本人、会社の双方から、オファーを受けて、地域障害者職業センターの配置型ジョブコーチさんとペアを組んで、支援に入っています。

 ご本人からは、「仕事の進め方や職場の人とのコミュニケーションのとり方等について教えてほしい」 会社からは、「本人の障害特性や指示の出し方、関わり方等について教えてほしい」というご要望を受けています。

 最初の1ヶ月ちょっとの間は、2人のジョブコーチが、交代で会社を訪問し、彼女の業務の様子をしっかりと「観察」させていただきました。複数の目で「観察」することで、ひとりだと見落としやすい問題点に気づくことができます。

 収集した「データ」を持ち寄り、職業カウンセラーも加わり、業務課題の分析や問題の解決策を検討し、まずは会社の方に、ジョブコーチ支援の方針と、理解や配慮をお願いしたいことをお伝えし、6月から次のステップの支援に入っています。

 ほんの少しの工夫を加えるだけで、ご本人の業務が大幅に改善されたり、他の方にとってもよりスムーズに業務がこなせるようになることがあります。

 たとえば、名刺印刷業務の中で、両面印刷が必要な名刺なのに、片面印刷の段階で、裁断してしまったというミスに対して、両面印刷が必要なものは、必ず裏面(英字)から印刷することを「ルール化」することで、彼女はもとより、他の方にとってもわかりやすいものなりました。

 また、PC入力時にミスが多かったことに対して、原稿にラインマーカーで線を引いて、確認するようにしたところ、大幅にミスが減り、仮にミスをしても自分で発見して、修正することができるようになりました。

 今週の訪問では、彼女が先週末、たまっている仕事を早く終わらせたいという気持ちから、自分の判断で勝手に残業してしまい、結果的には、焦りからミスが多く出てしまって、かえって、時間がかかることになってしまったことについて振り返りをおこないました。

 「他の人が残業しているから、自分も残業しなければならない」「新しい業務が入ったことで、名刺入力の仕事がたまっているから、残業してでも早く終わらせたい」という彼女の真面目な気持ちは、とてもよく理解できます。

 しかし、「残業というものは、業務全体の進捗状況や、部下の能力、コストパフィーマンス等を考えて、上司が命令しておこなうものであること」という会社や組織の基本的なルールが、ご本人には、まだ十分に理解できていなかったようです。

 上司の方も、彼女の一生懸命な様子を見ると、本当はストップをかけたくても、「残業はしなくてよい」という声かけができなかったようです。

 上司の方にも加わっていただきながら、彼女に「今は、まだ、残業をお願いするだけの能力も体力も不足していること」を伝えましたが、なかなか納得が得られなかったので、終業後に、彼女を喫茶店に誘って、もう一度、ゆっくりと説明をしました。

 この数ヶ月間で、彼女の業務は大幅に改善され、そのことを職場の人たちもきちんと評価してくださっています。一方で、ミスをするたびに、「自分はダメだ」「普通の人より劣っている」とマイナス思考に走り、焦って仕事を進めようとして、かえってミスを犯してしまう悪循環に陥ってしまっていることを時間をかけて話しました。

 どんな仕事でも、ひとりですべて完結するわけではありません。名刺の仕事も、彼女がさ入力した後、別の方が何度もチェックをかけながら、印刷、裁断、そして、お客様への納品となります。一番最初に、入力作業をおこなう彼女の役割は、400Mリレーの第1走者と同じです。

 経験を積んできた先輩社員の方と比べれば、経験の浅い彼女の「走力」は、当然、不足していて、同じように速く走ることはできません。でも、バトンをきちんとつなぐことさえできれば、彼女が遅れた分は、先輩たちがきちんと取り返してくれます。

 「今回のことを振り返ってみた時、どうだった?」「バトンを落とさず、ちゃんと次の走者の人に手渡せていただろうか?」という問いかけに、「正直できていませんでした」と答えてくれました。

 これから経験を重ねる中で、走力はきっとあがっていきます。でも、いくら速く走れるようになっても、バトンがうまくつながらなければ、リレーは成立しません。走力を高めていくことと同時に、バトンを落とさず、丁寧に確実に次の人につなぐスキル(チームワーク)を身につけていくことが大切です。

 「そうか、焦ってばかりいても仕方ないんだ」「自分のやるべきことは、まず、しっかり仕事を覚えることなんだ」と自分の言葉で確認した彼女の様子を見て、安心しました。

 自分の中でも一区切りついて、帰りの電車の中では、明るく、いろいろなことを話してくれた彼女。彼女がこれからも長く、安心して働きつづけられるように、しっかり応援していきたいと思います。

(天野)

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