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2009年12月

障害者雇用は今後、どう変わる? 大胆な予測と「研究会」立上げの呼びかけ

 昨日の読売新聞朝刊2面の人物を照会する「顔」欄で、車椅子の弁護士、東俊裕(ひがし・としひろ)さんが紹介されていた。

 11月28日のこのブログでもお伝えしたとおり、新政権に変わり、今後、国連の障害者権利条約を批准していくため、現行の障害者施策を抜本的に見直していく機関として、内閣府に。内閣総理大臣を本部長とする「障がい者制度改革推進本部」が設置された。その推進本部のもとに、具体的な施策検討を進めていく役割を負うのが、障害当事者も委員となる「改革推進会議」となるが、東さんは21日付で内閣参与して、この推進会議の担当室長として就任された。

 人権派弁護士として、これまでにも障害者差別を巡る数々の訴訟を手がけてこられた東さんは、年明けから始まる会議の中で、「人権を保障する観点から、日本の障害者制度を作り替えていきたい」と抱負を語っていらっしゃる。

 今後、障害者権利条約の批准のために、「障害者自立支援法」や「障害者雇用促進法」など障害者に関わるすべての法律を見直し(あるいは廃止し)、「障害者差別禁止法」や「障害者福祉総合法」を制定していくためには、どんなに急いでも3年はかかるだろう。否、むしろ、ここは、拙速に事が進められた自立支援法の二の舞を繰り返すことのないよう、じっくりと時間をかけて、30年、50年、100年の未来を見越した法と制度をつくりあげていくことが重要だ。

 障害者雇用の制度もおそらく大きく変わるものと予想される。

 新政権の中軸となる民主党の障がい者施策PTが今年4月に発表したマニュフェストには、雇用施策の1番目に、法定雇用率の対象となる障がい者の範囲を拡大することと、法定雇用率の引き上げが挙げられている。

 日本と同じ雇用義務制度をとっているイタリアの法定雇用率は7%、フランスが6%、ドイツが5%。(他にもハンバリー5%、オーストリア4%など) これらの国と比較して、日本の法定雇用率はあまりにも低い。また、かっては雇用率制度をとっていたイギリスでは、1996年に「差別禁止法」が施行された時点で、「雇用率制度は失敗であった」と制度そのものが廃止されている。

 今後、日本版「障害者差別禁止法」が制定されるにあたっては、制定・施行までの間に、法定雇用率が、国民総人口に対する障害者人口の比率(5~10%)まで段階的に引き上げられ、「差別禁止法」が施行される時点では、雇用率制度が廃止され、障害を理由に雇用を拒むこと自体が差別となり、社会的制裁を受けるという状況になることも、10年単位のスパンの中では十分に予測できる。

 法定雇用率の引き上げと合せて、今後の動きの中でおそらく顕在化してくる問題は、法定雇用率におけるダブルカウント制度の見直しと、特例子会社制度の見直しではないかと思う。

 先日のブログでも述べたとおり、今年の「「ロクイチ調査」では、民間企業の実雇用率が1.63%になり、過去最高のレベルに達したと厚労省が自画自賛していることに対して、もしも、ダブルカウントの制度がなければ、実雇用率は1.2%程度となり、実は、ダブルカウントの制度導入以前から、まったく伸びていないということを指摘したが、東氏はこのダブルカウント制度に対しても、「ダブルカウントされる側に二重の恥辱を与えるものである」と辛らつな批判を述べている。

 昨年12月に天野自身も、「雇用促進法改正案」に対する衆議院厚生労働委員会の参考人質疑の席で委員からの質問に対して、「ダブルカウント制度には、反対」という意見を述べたが、おそらく、東氏がトップになったことで、ダブルカウント制度については、今後、廃止の方向が出されることが予測される。(もちろん、財界の抵抗は相当なものだろうが)

 実際に、フランスにおいては、雇用率制度に差別禁止規定を盛り込むことで、2005年にダブルカウント制度が廃止されたという前例がある。

 特例子会社制度に対しても、東氏の意見は厳しい。「特例子会社制度は、賃金体系も身分体系も昇進体系も本体企業とはまったく異なる世界となっている。したがって、このような制度は、一般社会内において、新たな隔離を作り出し差別を固定化させる側面がある」、と…。

 いくつもの特例子会社ともお付き合いさせていただいている支援機関の人間としては、特例子会社を以ってすべて隔離と差別の温床とは言いがたい面もあるが、正直、「良い特例子会社」と「悪い特例子会社」があると思っている。また、雇用率至上主義ではなく、本気で障害者を貴重な戦力として捉え、育て上げ、活かそうとしている企業の中には、特例子会社という形態を否定的に考えていらっしゃる企業も多々ある。

 しかし、いずれにせよ、特例子会社制度そのものの見直しが図られる可能性は十分に考えられる。その時、「良い特例子会社」は生き残れるだろうし、「悪い特例子会社」は淘汰されてしまうように思う。(「良い特例子会社」と「悪い特例子会社」の分け目については、敢えて記さないが)

 というような感じで、おそらく、ここ5年、10年の間に、障害者雇用をとりまく法や制度は大きな転換期を迎えるであると思っている。そして、それは、「一般就労」と呼ばれている企業における障害者雇用の範囲だけではなく、「福祉的就労」と呼ばれているわれわれ「福祉の分野」「福祉施設」においても劇的な変化をもたらすものであろうと思う。もっと、簡単に言えば、障害者が「働く」ということにおいては、これまで存在していた雇用と福祉の間にある壁がなくなり、企業においては、障害者を雇用することが、また、福祉においては、最低限の生活を保ちうる賃金(最低賃金)を保障することが明確な義務になることであると思う。

 こうした企業、福祉施設双方にとって、厳しい局面を打開していくための有効的な手立ては、「企業と福祉施設との連携・協力」であると思っている。

 先日(12月16日)に、東京しごと財団さんが主催される「特例子会社特別講座」に講師としてお招きしていただいた際にも、そんな話を少しさせていただいた。口下手で十分に思いをお伝えできなかったことが悔しい限りだが、なんとか突破口を見出していきたいと考えている。

 特例子会社や、企業の障害者雇用担当者の方と、福祉施設の職員とで、企業にとっても、福祉施設にとっても、そして、何より働く障害者にとって、最良・最善の方法を探る「研究会」的なものを立ち上げることができればと願っている。そこには、ぜひ、障害者の生活する最も身近な行政(市町村)の方にもご参加をお願いしたい。

 こうした趣旨に、ご賛同していただける方からのご連絡をお待ちしております。

(天野)

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ゼルビーの着ぐるみ作成の企業さんでも障害のある方が働いています

 午後から大崎にある企業に、年末のご挨拶を兼ね、職場訪問に伺いました。今年の4月から、らいむの登録者の方がお世話になっている企業ですが、ご本人が非常にしっかりされていることもあって、訪問は今日でまだ3回目です。

 ご本人の仕事の様子を見させていただく前に、上司の方とお話をさせていただきましたが、ご本人の人柄や努力もあって、大変、高い評価をいただきました。ご本人は精神障害のある方ですが、この9ヶ月間、会社では十分に障害特性を配慮してくださり、過度な負荷がかからないよう、小さくステップを刻んで、段階的なスキルアップを支援してくださっています。一般事務での採用ですが、最初は、ファイリングや封入・封緘作業などの易しい作業からスタートしました。

 3ヶ月過ぎたところで、ご本人専用のパソコンを設置していただき、入力作業。そして、一昨日からは、専用の電話機が机に置かれて、内線電話の取次ぎをおこなうようになりました。「電話は苦手、どうしよう?」というメールをご本人から受け取り、心配な気持ちでの訪問となりましたが、上司の方のお話を聞くと、「自分から積極的に、電話に出ようとがんばっている」とのことでした。職場の雰囲気も明るく、和気あいあいとしており、「最初は、会話の中で無理に笑顔を作ろうとしているように見えたご本人が、今では、自然に笑みがこぼれるようになった」と、喜んでくださる上司の方のお話を伺い、大変、嬉しく思いました。

 その後、ご本人の仕事の様子を30分間ほど、見させていただきました。残念ながら、電話応対のシーンを見ることはできませんでしたが、PCの画面に電話応対のマニュアルを貼り付け、準備万端の様子を窺うことができました。最初の頃は、まだ、ぎこちなさが目立っていた書類を繰る手の動きも、すっかり事務職のものになっていました。

 1ヶ月に1回くらい、ご本人から届くメールの文章には、時折、不安や緊張の隠せない思いも綴られていることがありますが、最後には、必ず、「それでもがんばろう!」という前向きな思いととともに、出身施設(作業所)の仲間に対する思いやりのあふれる言葉が綴られています。

 「自分が今、この会社で働けているのは、たくさんの人の支えがあったからこそだ」と常に感謝の気持ちを持ち、後に続く人たちのために、誰かに何かを言われてやるのではなく、自分の意思で、困難を乗り越えていこうとするまっすぐさが、この方の一番の魅力です。ご本人の良さをまるごと受けとめ、日々、温かく見守っていただけていること、また、長い目で、ご本人を育て、この雇用事例を精神障害のある方の雇用の成功事例として、次の雇用につなげていきたいと考えておられる企業の姿勢に感謝と敬意の気持ちを表したいと思います。

 帰り際、ご本人には、12月から「らいむ」でとりくみはじめた「たまり場」の話をさせていただきました。もし、機会があれば、「たまり場」に参加していただき、これから企業就労をめざす「後輩」の人たちに、ご自身が体験されてきたことを熱く語っていただきたいと願っています。

 

 余談ですが、この企業さんは、天野が応援しているFC町田ゼルビアのマスコットであるゼルビー君(目つきの悪いカワセミ!?)の着ぐるみを作ってくださっている企業さんです。そんなこともあって、余計に親しみを感じてしまいます。

(天野)

 

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ゼルビアの今季を振り返って プラス来季の私的最低目標

 ホーム最終戦から早1ヶ月。

 相馬新監督の就任が決まり、いよいよ、2010年に向けて動きだそうとしているゼルビア。1ヶ月近く、ゼルビア関係のブログ記事の更新がストップしていたことを反省し、遅まきながら、今季のゲームを振り返ってみることにした。

 昨年も確か3~4試合は、ゼルビアのゲームを観戦しましたが、元はと言えば、横浜Fマリノスの熱狂的?サポーター。毎年、年チケを買って、ホームゲームでは、ゴール裏でビール片手に、大声を張り上げているような人だった。

 今年も、もちろん、マリノスの年チケを購入していたので、ゼルビアにはまってしまってからは、もう大変だった。土日連続、時にはダブルヘッダーなんていうこともあった。

 シーズンが終って、数えてみると、観戦したゲーム数は、マリノス14試合(ホームに全部行けていない)に対して、ゼルビア17試合(うち1試合は、東京都サッカートーナメントの明治大学戦)で、なんと、ゼルビアの勝利だ!

 観戦したゼルビアのゲームは、ホーム13試合、アウェー3試合、+明治大学戦です。シーズン開幕直後は、マリノスを優先していたので、私にとってのゼルビア開幕は、4月の流経戦。その前の4連敗を見ないで、いきなり勝ちゲームから入ったこともあって、観戦した17試合の勝敗は、8勝7分2敗というかなりの勝率だ。(2敗は、武蔵野戦と明治大学戦。ホーム開催の佐川急便戦のときは、雨が降ったので、屋根のあるニッサンに行ってしまった。すまぬ!)

 17試合を振り返ってのベストゲームは、7月25日のアウェー、ホンダ戦。前節に3800名を超えるサポーターの前で鳥取を破り、勢いをつけて乗り込んだ都田。迎え撃つは、前年度王者のホンダ。ゼルビアの真価が試されるこのゲームに勝利したことが、大きな自信と転機になったように思います。今も目に焼きついているのは、ゼルビアの選手たちが本当にあきらめることなく、ライン際ギリギリまでボールを追う気迫を見せていたこと。

 ゴンが来なくても、あの時の泥くさいファイトを思い出せば、ゼルビアの選手たちは、きっとやってくれるはずです。普段は、とてもクールに見える石堂選手が、鬼気迫る表情で、サポーター席に届けとばかりに滑り込んできたスライディングは痺れました。多分、このゲームの後くらいから、ひとつ、ふっきれたのかな? サインの横に「感謝」の文字を添えるようになった石堂選手。プロの選手として、いや、人間的にも一回りも二回りも大きくなったように思う。

 第2位は、ホンダ戦の前節に開催された鳥取戦。今季の最大観客動員ゲームということもあって、スタジアムの雰囲気がとても良かった。キックオフの後からも、どんどん観客が芝生席に入ってくる様子を見ているだけで、ワクワクした。この日の主役は、なんと言っても修行選手。鳥取への恩返しと、守るゴールは気迫満点。ホイッスルの後に流した、男涙には、みんなが感動した。華麗なプレイはもちろん観衆を魅了するが、人間くさいドラマがこもったプレイのひとつひとつには、みんなが共感する。この日の「修行劇場」には、みんなが感動した。観客倍増の目的には、ちょっと届かなかったかもしれないが、修行選手のフアンは間違いなく10倍増となったゲームだと思う。

 第3位は、難しく、甲乙つけがたいといったところ。候補としては、相手PKという絶体絶命のピンチを修行選手とサポーターのタッグチームで阻止した後期第1節の佐川印刷戦。ゴールこそならなかったものの、御給選手の鮮烈デビューとなり、3対0で勝利したアウェー高崎戦も上がってくるが、ここは、やはり、9月17日のアウェー、ジェフ戦をあげたい。結果だけ、見れば、スコアレスドーの試合。でも、この日のゲームは、前節にトルシエ琉球を破り、本来であれば、更に勢いを増して、普通に勝ちにいくゲーム。

 ところが、数日前に、J加盟申請断念という衝撃のニュースが舞い込んできた。選手たちにとっては、「誰に、どんな怒りをぶつければいいのか」、否、それ以前に、「自分たちのこれまでの努力は一体なんだったのかと」、すべてをぶん投げてしまいたくなるような気持ちになったはず。

 でも、選手たちの誰ひとりとして、切れたり、投げ出したりしなかった。目の前のボールを遮二無二追いかけ続けた。

 この日、開場前に、クルバの人たちが中心になって、観戦に訪れたサポーターたちが、選手たちに届けとばかりに声を張り上げ、スタジアムの周りを行進した。相手チームにとっては、示威行動とも捉えられかねない応援だが、J加盟申請断念のニュースが伝わっていたということもあってか、大きな心で受け止めてくれたのだろう。無意味なぶつかりあいはまったくなかった。

 ホームのジェフを圧倒したサポーターの数と応援の声。それに応えてくれたゼルビアの選手たちをぼくらは誇りに思う。

 来季に向けての戦いは、すでに始まっている。選手たちと同様に、サポーターも来季に向けての準備を始めていかなければいけない。やるべきことは、スタジアムに足を運ぶ仲間をひとりでも多く増やしていくことだと思う。

 まず手始めに、クラブゼルビスタ入会プラス年チケ購入を申し込もう!

 来季の私の最低目標は、ホーム全試合観戦。プラス毎試合5名の観客動員ということにしておこう。

(天野)

 

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はじめての「たまり場」は大成功! そして、今後の「たまり場」に期待すること

 先週、土曜日(19日)、スワン町田店の場所をお借りして、はじめての「たまり場」を開催しました。

 参加者は、一般企業で働いている人が11名。福祉施設で働いている人が7名。就労準備中の人が2名。家族の方が5名。福祉施設の職員が1名。スワンの職員が2名。らいむの職員が4名の計32名でした。(スワンのカフェは25席しかないので、「満員御礼」となりました)

 私は、スワンの2階にある「らいむ」で、調理を担当していたので、最後の最後になって、ようやく少し顔を出すことができましたが、会の方は、竹内職員の名(迷!?)司会もあって、大いに盛り上がったようです。

 会場に足を踏み入れた途端、熱気と温かい空気を感じました。先月、就職したばかりのNくんが、とても明るい表情で、みんなの真ん中に陣取っていました。昨春、養護学校(特別支援学校)を卒業して、お弁当屋さんで働いているYさんが、年長のお姉さんたちの中に混じって、ニコニコとしていました。福祉施設に通所しながら、就職活動をがんばっているKさんが、同じ病気を持ちながら、就労中のTさんと親しく言葉を交わしていました。

 掲示板とブログのコメント欄に、この日の感想を記してくださった方がいますので、下に引用させていただきます。

 第一回たまり場、楽しかったです。

 いろいろな方とふれあう機会があるというのはとても良いことだと思います。

 竹内さんの司会進行で場がとても盛り上がりました。

 天野さんの料理もとても美味しくいただきました。

 ウィズ町田の職員さん、関係者の方、参加した登録者の方、ありがとうございました。

(「にゃんこ」さんの書き込み)

 私は「らいむ」にお世話になっている父兄ですが、先日行われた「たまり場」に子供と一緒に参加してきました。

 らいむとして初めてのたまり場の開催ということで、大々的には参加募集は行われなかったようですが、それでも30名ほどが集まり、なごやかな中にも盛況でした。今回は初回なので、参加した障害者たちもお互いに初対面同士も多く、もともと対人関係が不得意な人も多いのでどうなるかと気になっていましたので、注意深く観察してみましたが、結果は上々のように見えました。

 竹内さんの配慮で考えられた「名前のビンゴゲーム」で、お互いに紙の升目に名前を書きあいながら自己紹介をしたり、近況報告を全員が竹内さんの介助でしっかり行いました。

 参加者は就労中の人もいるし、就労をめざして就活真っ只中の人もいるし、就職してるがちょっと問題を抱えて悩んでいる人もいるし、いろいろな人たちが一緒に集まり、ひとの苦労や成功談などをいろいろ知ることができたと思います。一人で悩んでいた人も「悩みは自分ひとりではない」と思ったことでしょうし、今まで友達なんか出来ないとあきらめていた人も仲良く出来そうな人がいることを知ることができたかもしれません。


 就職していても職場に友達が居なかったり、上司や同僚とうまく行かずにストレスを抱え込んでしまっているのに、ストレスをどう発散していいか分からずに苦しい思いをしている障害者はとても多いと思います。中には耐え切れずにかんしゃくを起こして、職場トラブルになり、退職に至るケースもしょっちゅうあるのが障害者就労の現状です。

 彼らは健常者のように同僚と飲み会に行って上司の悪口を言い合って意気投合し、その日のいやな記憶はその日に発散して忘れるとか、仕事のミスについても自分の責任でないことはキチンと主張して誤解を解くとか、自分が感じている不満を上司にちゃんと説明するとか・・・普通の会社員なら普通にやっているこのようなことが出来ないからです。

 それなのに、障害者が悩みを共有したり、励ましあったり、苦労を発散させたり、という就労を持続させるために必須の場が、今までありませんでした。青年学級がそのような場として存在しているのですが、定員が満杯のために新たな入会ができない状況です。

 ですので、この「たまり場」の存在は障害者の就労持続にとっては就労支援と同じくらいに重要なのです。らいむが町田で初めて開催した今回の「たまり場」に参加して、このことを再確認することができました。障害者就労には支援センターだけでは不十分で、たまり場とセットになって初めて就労というものが持続可能になるものだと思います。

 そういうわけで「たまり場」も継続的に運営されていくことが必要なのですが、らいむでは月に一度のペースで開催するとのことです。しかし、らいむ自身がウイズ町田の自主運営という持ち出し経営されている現状ですので、さらに「たまり場」の運営となるとさぞや大変ではないかと想像されます。この点でも町田市障害福祉課のなんらかの支援が考えられてしかるべきだと感じました。

 それにしても、今回の「たまり場」は初回でもあり、天野さんが調理師免許の力を見せたり、スワン店長の守屋さんが得意のピッツァや揚げ物に腕を振るったり、全ての障害者を知っている竹内さんが司会をし、中根さん、田中さん、植松さんそのほか、らいむとスワンの皆さんが総力を発揮してくださり、参加者にとってはまさに至れり尽くせりでした。

 今回の「たまり場」開催に対して、今後の展開に大いに期待をこめて、参加者の親としておおいに感謝を申し上げたいと思います。みなさんありがとうございます。

(「障害者就労の応援者」さんの書き込み・コメント)

 おふたりの書き込みにもありますが、就職して、障害のある人たちの夢や希望がひとつ叶っても、それで終わりではありません。その先もモチベーションを維持しながら、働きつづけることが大切です。しかし、働きつづけることは、ある面、就職することよりもずっと大変なことです。

 職場で不安や悩みを抱えたとき、誰にも相談できずに、ひとりでストレスを抱え込んでしまう状況に陥ってしまうと、働きつづけること自体が難しくなってしまいます。職場の人や家族、支援機関の職員に相談できることも、もちろん大切ですが、それ以上に、同じ立場で話せたり、相談できる「仲間」がいることが一番です。

 最後の挨拶のときに、少しお話させていただきましたが、「らいむ」が準備する「たまり場」は、仲間づくりの「きっかけ」に過ぎません。今回は、初回ということで、職員がでしゃばりすぎてしまう面も多々あったと思いますが、これから何度か回を重ねる中で、職員が時間や場所を設定しなくても、みんなの中から、「今度は、いつ、どこで、何々を目的に『たまり場』を開こう!」という声が自然に上がり、「たまり場」が開催されるようになればいいと願っています。(もちろん、「今度は、こんな『たまり場』を開きたいのだけど…」という相談には時間の許す限り、喜んで乗らせていただきますよ!)そのような「たまり場」になっていくことが、固く言えば、本当の「自立」につながっていくのだと思います。

 第1回の「たまり場」に参加してくださったみなさん、ご協力をいただいたみなさんに心より感謝申し上げます。

(天野)

 

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「たまり場」に参加をご希望の方は、お早めにお申込をお願いします

 今週に開催する「たまり場」には、すでに7~8名の方から、参加のご連絡をいただいております。開催場所となる「スワン町田店」のカフェは25席と手狭ですので、お申込は、どうぞお早めに!

 ブログを始めてから、ホームページの方は、殆ど更新できない状況が続いていましたが、11月13日の「就労支援セミナー」で報告させていただいた、今年度の「らいむ」の10月末までの状況を「らいむの事業実績」としてアップしました。下記から、ご覧いただけます。

http://homepage3.nifty.com/wsc-raimu/09%20zisseki01.html

 今週は、今日も朝からJC支援で外出していましたが、明日以降も、私は殆ど、外に出ています。

 明日(15日)は、「らいむ」の登録者の方が、複数名お世話になっているW社さんが、社員研修用のビデオ作成のため、ウィズ町田の事業所に撮影に来られます。実は、現在、W社さんで働いている数名の登録者の方は、上半期にW社の方が、ウィズの別の事業所を見学に来られたことがきっかけで、雇用につながっています。明日、訪問していただく事業所のメンバーの方は、ぜひ、がんばって仕事をしていることをアピールしてください。

 明後日(16日)は、財団法人東京しごと財団さんが主催される「特例子会社特別講座」に講師としてお招きいただいています。講演のテーマは、「企業と福祉施設のコラボレーションを考える」というもの。先週2日間ほど、徹夜して、なんとかパワーポイントの資料を作り終えました。

 今のところ、都内の特例子会社やこれから特例子会社の設立を考える企業が18社参加されるということなので、楽しみです。ちょっと大胆な提案もしてきたいと思っています。

 17日は、きょうされんの就労支援部会。12月8日の新聞各紙で取り上げられたように、「自立支援法」の廃止を打ち出した新政権の下に、「障がい者制度改革推進本部」(本部長は内閣総理大臣)が年内に設置される見込みです。「国連・障害者権利条約」の批准のためには、福祉法に限らず、障害者に関わるすべての国内法の見直し・整備が求められます。推進本部の下には、障害当事者が半数を占める委員会が設置され、具体的な議論や作業をおこなっていくとのこと。就労支援部会では、就労支援や雇用の問題について検討し、積極的な提言をおこなっていきます。

 就労支援部会の後は、引き続き、「ILO提訴への回答と障害者の就労支援を考えるフォーラム」に参加してきます。同フォーラムの詳細は下記にあります。

http://fukuho-e.net/fukuho.org/modules/bulletin/

 そして、18日の夜は法人の評議員会。19日は「たまり場」の開催となります。う~ん、身体が持つかな!?と、ちょっと心配。

 最後にもうひとつインフォメーション。

 障がい者のための就職・転職求人サイトを運営されている「サーナ」さんの、冊子版・就職情報誌「サーナ43号」(12月発行予定)に、「らいむ」の紹介記事が掲載されます。実はすでに完成版のPDFファイルはいただいているのですが、発行前なので、掲載は控えさせていただいています。

 たくさんある就労支援機関の中から、わざわざ「らいむ」を取材していただけたことは、とても光栄なことと感謝しております。

http://www.web-sana.com/entry/sana.php

 

 冊子版をご希望の方は、上記サイトでお申込ください。

(天野) 

 

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第1回の「たまり場」を実施します。参加をご希望される方は、お早めにお申込を!

 就労支援センターらいむの登録者の方を対象にした「たまり場」を12月19日(土)の午後7時から、「スワンカフェ&ベーカリー町田店」の場所をお借りして、開催します。

 11月13日に開催した「就労支援セミナー」やウィズ町田の機関紙「With」の26号の特集記事の中でもお伝えさせていただいた通り、この「たまり場」開設の一番の目的は、就労中や就職活動中のチャレンジドの人たちの仲間づくりと情報交換の場づくりです。

 「仕事の悩みごとや愚痴を親身になって聞いてくれる仲間」や「就職活動の進め方について、同じチャレンジドの立場から適切なアドバイスをくれる先輩」…、そんなステキな人と出会える場所になればと思っています。

 120名いらっしゃる「らいむ」の登録者の方が、全員参加されるということになると、25席しかない「スワン」には、当然、入りきれないことになってしまうので、今回は、このブログのみでのご案内とさせていただくことにします。

 最初からあまり気張ってしまっては、後が続かなくなってしまう心配もあるので、今回は、軽食を取りながら、参加していただいた方の自己紹介と、これからの「たまり場」の運営や活動の進め方について、自由に意見を言い合える場にしていきたいと思っています。

 「スワン」のご協力をいただいて、当日は、パンとソフトドリンクを準備していただきます。また、天野が腕をふるって、(一応、調理師免許というものを持っています) 軽食を準備したいと思っています。また、みんなで楽しめるような楽しい企画も準備したいと思っています。そのため、大変、申しわけありませんが、おひとり1000円の会費を徴収させていただきます。

 残念ながら、アルコール類は、予算の関係で、こちらで準備することはできません。でも、「持ち込み」は自由にしますので、アルコールの力を借りないと、「元気が出ない」「恥ずかしくて、話ができない」という「私」のような方は、自由に持ち込んでいただいて結構です。(氷や水はいくらでもありますから…) 隣のコンビニでも購入できます。

 「たまり場」への参加をご希望される方は、事前に、「らいむ」まで、電話(721-2460)、FAX(785-4534)、メール(s-raimu@nifty.com)等で、お申込ください。なお、今回の参加は、事前にお申込をいただいた「らいむ」の登録者、ご家族、および関係者(このあたりは微妙ですが…)に限定させていただきますので、あしからず、ご了解ください。

 さて、どうなることやら…!?

(天野)

 

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ハローワークにおける「ワンストップ・サービス」の実施には拙速感を拭えない

 全国77ヶ所のハローワーク(公共職業安定所)で、11月30日に「ワンストップ・サービス・デイ」が試行実施された。

 「ワンストップ・サービス」とは、昨冬のような「年越し派遣村」の再来を防ごうと新政権が失業者対策の目玉として打ち出したもので、求職中で、当面の生活に困っている方を対象に、ハローワークで、職業相談だけでなく、住居・生活支援の相談・支援を受けるサービスを地方自治体等の関係機関の協力を受け、実施するというもの。

 東京では、都内17ヶ所すべてのハローワークでの実施となった。ハローワーク渋谷には、政府の緊急雇用対策本部本部長代行の管直人副総理と長妻昭厚生労働大臣、さらに派遣村の村長を務め、この政策を提唱した湯浅誠内閣府参与らが視察に訪れたという。

 今後、厚生労働省はこの日の試行結果を検証し、年末年始の実施や定例化を検討していくという。

 以前にも、このブログで、「ワンストップ・サービス」に対するどちらかといえば、否定的な意見を述べたが、私としては、この事業の本格実施については、「ハローワーク」を拠点とすることに関しては、あまり賛成できない。

 11月30日の試行に伴い、厚生労働省から実施先ハローワークの案内文書が出されたのが、11月26日。私も実施を知ったのが、翌12月1日の新聞報道だったので、おそらくこの日の試行については、ほとんど周知されていないのが現実ではないかと思う。

 都内17ヶ所のハローワークで、「ワンストップ・サービス」を利用された方の総数が東京労働局の集計に寄れば、485名(1所平均は、約30名)。

 この数を多いと見るか、少ないと見るかについては、意見が分かれるとは思うが、もし、「当面の生活(資金)に困っている人」を対象にするという面が強調されて、事前に周知が図られていたとしたら、おそらく、利用者数は、5倍~10倍に跳ね上がっていたのでないかと私は思う。

 「ワンストップ・サービス・デイ」の実施に伴い、ハローワークに参集した関係機関の職員は、住宅手当や生活保護の相談に応じる区市町村職員、生活資金の貸付を担当する社会福祉協議会の職員、多重債務の相談を受ける弁護士、心の健康相談に応じる保健所職員など。三多摩地域でいえば、9市が管轄地域となる、ハローワーク立川では、生活保護担当の職員が9市から派遣されたという。ハローワークの管轄地域は、地方に行けば、さらに広域にまたがっている例も多く、また、保健所の管轄する地域ともすれがあるので、現場の混乱は相当なものであったと容易に予測できる。(まず、9市、10市から自治体職員が派遣され、さらに社協、弁護士会、保健所からも職員が加わる相談のスペースをどうやって確保したのだろうかと、ハローワークの現場のご苦労が偲ばれる)

 全都で485名の利用者の方のうち、相談票の求職申込が「いいえ」となっていた方の数が102名(約20%)。この2割という数字の持つ意味が、結構、重いと思う。求職申込に「いいえ」と書いた方が求めているものは、本来、ハローワークが業務としている職業相談や職業紹介とは異なるものであるということだ。利用者サイドからしても、求めるニーズと異なるサービスを提供する機関に足を運ぶことは、「ワンストップ」どころが、二度手間になりかねない。

 市役所や病院などの総合窓口で「ワンストップ・サービス」の充実を図ることは、もっともっと拡充されてしかるべきだが、目的や性格の異なる機関を、とにかく1箇所に寄せ集めてみても、本当の意味での「ワンストップ・サービス」にはならない。

 「障害者自立支援法」の廃止を明確に打ち出した新政権の姿勢は高く評価できるが、結果的には、官僚の壁を打ち破ることができなかった旧政権にあっても、障害当事者や関係者の声に少なからず、耳を傾け、自立支援法の大いなる矛盾については、「何とかしよう」と最大限の努力は続けてきていたと思う。そのような経緯があったからこそ、新政権になり、満を持して、自立支援法の廃止を高々に宣言できたという側面もあると思う。

 それに比べて、やはり、今回の「ワンストップ・サービス」の政策は、拙速感が拭えないと思うのは私だけなのだろうか?

 昨年の「年越し派遣村」で、先陣を切って、時の政府に問題を投げかけた湯浅誠氏の姿勢には大いに共感できたが、今回の「ワンストップ・サービス」の政策は、広域自治体を管轄するハローワークに難問を押し付けるのではなく、「生活」という側面を最優先に考えるのであれば、まずは、各自治体に財源的な措置をしっかりと講じたうえで、「ワンストップ・サービス」の窓口を設けるべきではなかったかと思えて仕方がない。

 11月30日の試行日には、ハローワーク町田にも、民主党の国会議員、都議会議員、市議会議員が視察に訪れたという。有効求人倍率が都内のハローワークでも最も低い数字にあるハローワーク町田に職を求めて、日参する求職者の姿や、相談に真摯に対応するハローワークの職員の姿を目の当たりにして、どのような感想を持たれたのか、ぜひ伺ってみたいと思う。

 民主党以外の政治家の人たちが、ハローワーク町田を視察したという話は残念ながら耳にしていない。もとより、雇用施策、失業者施策は、党派の垣根を超えて、とりくまなければならない最重要課題であることは、当然、ご承知のはずである。

 来年2月には、町田市長選挙、町田市議会議員選挙が実施される。立候補を考えていらっしゃる方は、少なくとも、一度はハローワーク町田に足を運び、求職者の方々の悲痛な声に耳を傾け、厳しい雇用の現実をしっかりと見つめ、理解していただきたい。加えて、ハローワーク職員の方々の、仕事にかける熱意を受けとめ、本来業務に専念できる環境を整えられるよう、もの申していただきたい。

(天野)

 

 

 

  

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