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2009年2月

与党PTの「障害者自立支援法の抜本見直しの方針」が発表されました。

 新聞各紙でも報道されている通り、障害者自立支援法の見直しを検討してきた与党プロジェクトチーム(PT)が、10日の実務者会議で、障害者がサービスを利用する際、費用の原則1割を自己負担させる現行法の規定を削除し、所得に応じた「応能負担」へと法改正する方針を固めたということです。

 先程、障害者支援議員連盟の会長を務める地元町田市選出の伊藤公介代議士からも次の報告文書をいただきました。

障害者関係団体の皆さま

ご報告

障害者支援議員連盟会長

衆議院議員 伊藤 公介

 日頃よりご指導いただき、皆さまのお支えに感謝申し上げます。

 連日の議論を重ねて参りました、自由民主党社会保障制度調査会障害者福祉委員会において、本日全国11の障害者関係団体の皆さまのご出席の中で、『障害者自立支援法の抜本見直しの基本方針』がまとまりました。

 ご参加いただきました団体の皆さまからはいろいろなご意見もいただき、その点につきましては更に今後の具体的な法律改正の中で十分検討を進めて参ります。

 基本方針をご覧いただき、またお気づきの点がございましたらご連絡いただければと思います。

 今後とも多くのお声をいただきながら、より良い制度づくりに努めて参ります。取り急ぎのご報告とさせていただきます。

 この後、「基本方針」の文書が添付されていますが、全部を転載する時間がないので、下記アドレスの「きょうされん」のホームページから、

http://www.kyosaren.or.jp/

 「おしらせ」>「2月13日 コメントTOMO アップ」>「障害者自立支援法の抜本見直しの基本方針」のPDFファイルをご覧ください。

 与党からも、介護保険との統合方針を解消し、サービスの利用にあたっては、「応能負担」に戻すことが適切という判断がなされたことは、大きな運動の成果と言えます。とは言え、今後は官僚の更に激しい抵抗が予想されることは必至です。

 決して、これで安心することなく、引き続き、みんなで声をあげていきましょう!

(天野)

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記録簿で確認したTさんの変化と成長

 仕事帰りに、Tさんが「らいむ」に相談にみえました。

 相談の内容は、もちろん、町田市から届いた封書に関するものでした。らいむのブログをこまめに読んでくださっているということで、この間の事情については十分にご理解されており、市の主催する「説明会」にも、すでに参加する意向を固めておられました。

 そんなTさんが、一番、気にされていたことは、「個人情報」の引継ぎについてでした。

①「らいむ」には、自分に関するどんな個人情報があるのか?

②「4月以降の新事業運営団体に、町田市から責任をもって引継ぐ」とあるが、その場合、実際にどのような方法で引継がれるのか? 文書をただ手渡しするだけなのか?

③自分としては、自分のことを一番よく知っている「らいむ」に引き続き、サポートをお願いしたいが、新しくできる支援センターとも関係をもつ可能性がある。町田市とウィズ町田(「らいむ」)の双方に、情報を引継ぐことはできないのか?

 と、いった質問を受けました。

 ②については、町田市の方針に関することなので、説明会の席で直接、町田市に質問してほしいとお願いしました。

 ③については、これまで私自身、気づかずにいた方法ですが、就職を希望する人が複数の機関にサポートを依頼できるという点から考えても、非常に合理的な方法であると思いました。Tさんには、この可能性についても、説明会の場で質問してくださるようにとお願いしました。

 ①の「らいむ」で保管している個人情報データについては、「らいむ」のデータ管理システムを開き、Tさん自身の台帳と記録簿を閲覧していただきました。Tさんは、登録から2年半に渡るご自身への「らいむ」のサポートが克明に記された記録を、最初から丁寧に読まれていました。(2年半の機関、Tさんへのサポート回数は109回でした)

 Tさんと一緒に記録簿を振り返る中で、忘れかけていた様々な思い出が鮮やかによみがえってきました。作業所から、「らいむ」での職業訓練、さらに外部の委託訓練を経て、就労。残念ながら、2ヶ月で離職となってしまいましたが、体制を立て直し、再チャレンジで見事、結果を出し、現在の職場で1年以上の就労を継続しているTさん。良いときも悪いときも、「らいむ」の職員と二人三脚で、就職活動にとりくんできたこの間の記録は、Tさんと「らいむ」の職員にとっては、大切な共有財産であり、「委託事業だから、無条件にすべての個人情報データを引き渡せ」という当初の町田市の乱暴な要求を突っぱねて、本当によかったと思いました。

 平日の昼間は、とりくみに追われ、記録を書く時間はまったくと言っていいほどなく、結局、この記録を積み上げてきたのは、夜や休日です。「らいむ」のあるせりがや会館は、残業や休日出勤の際には、必ず、届けを出すことになっていますから、確かめていただければわかると思いますが、毎日殆ど、残業届けを出し、土日のどちらかは必ず休日出勤して、記録を書いてきました。Tさんと一緒に記録を読んで、Tさんのこの2年半の大きな成長を確認できたことを嬉しく思いました。

 Tさんのサポート回数は109回でしたが、多い人では、500回を超えるサポート回数の人もいます。ご本人の希望・承諾があれば、もちろん、すべての個人情報データは引継ぐつもりですが、「らいむ」の職員にとっても、この記録は、かけがえのない財産です。記録を引継ぐ町田市と新しい支援センターの方には、そんな思いも、ぜひ受けとめていただきたいと思います。

 本日、町田市所管課から、情報公開請求に対する回答をいただき、来週2月17日(火)の午前10時~ 市政情報室やまびこで、今回の公募型プロポーザルに係る資料の閲覧ができることになりました。ネットに公開することの可否を確認したうえで、可能なものについては、皆さんの判断材料となるよう、このブログ他に掲載したいと思っています。

(天野)

 

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Hさんの職場実習がスタート。 本日の「福祉ネットワーク」で「美空」と「らいむ」が紹介されます。

 今週の月曜日(9日)から、登録者のHさんの職場実習が始まりました。

 1月28日のブログで報告した「東京しごと財団」の面接会に参加して、決まった実習です。面接のときから、Hさんが準備した履歴書、職務経歴書、自己紹介文に丁寧に目を通してくださり、Hさんの障害や病気に拘るのではなく、Hさんの人柄を評価してくださる、この企業さんの姿勢にはとても好感が持てました。

 まだまだ「精神障害」と言うだけで、「雇用したことがないので分からない」とか、「うちの会社ではちょっと…」と、引かれてしまうことや、その人のプライバシーに関わることまで根掘り葉掘り、聞いた挙句、結局は、「検討しましたが、やはり難しいと判断しました」と言われてしまうことが、しばしば、あります。営利を目的とするのが企業ですから、まったく仕事のできない人を雇用する必要はありませんが、それほど、理解もできていないのに、「精神障害」という言葉だけに囚われてしまって、その人の可能性に目を向けようともしない企業さんがあることもまた事実で、悲しくなったり、情けなくなったりしてしまうことも、しばしば、あります。

 実習初日は、大崎にある本社まで、Hさんに同行して、行ってきました。

 Hさんの実習現場となるのは、本社の総務部人事課。M課長さんと、実習の担当者となる社員のFさんにまず、ご挨拶をし、その後、実習の進め方についてお話を伺いました。

 会社側では、Hさんのために、2つの実習パターンを準備してくださっていました。1週間でこなす業務をA、B、Cとした場合に、1日目と2日目はAの業務、3日目と4日目はBの業務、5日目はCの業務というように、日替わりで業務内容が変わるパターンと、同じ日のうちに時間を区切って、A、B、Cの業務を少しずつ積み重ねていくパターンの2つです。Hさんは、後者のパターンを選びました。このように、最初に本人に業務の進め方を選択させてもらえる提案をいただいたことは、私にとっても初めての体験でしたが、仕事は指示されてやるものではなく、自ら考えてやるものということを考えると、Hさんにとっても、自ら選択したということが、とても大きな意味を持つように思いました。

 また、「昼食はどうしますか?」「社員の人は、大体みんな仕出弁当を注文して、いっしょに食べるようにしているので、Hさんもご一緒にいかがですか?」というお誘いをいただきました。「精神障害」の方の中には、仕事はできても、他者とのコミュニケーションが苦手で、お昼休みなど仕事以外の時間は、ポツンとひとりで過ごされているケースが時々、見られます。「らいむ」の定着支援でも、仕事以外の時間に、他の従業員の方との人間関係や良好なコミュニケーションをどうつくるかといったことが重要な課題のひとつになっています。すでにHさんの前に精神障害の方を雇用されているといった経験もおありの企業さんならではの、細やかなご配慮に感激しました。Hさんも、もちろん、「ではお願いします」と答えていました。

 その後、人事課の社員の皆さんの前で、Hさんがご挨拶をさせていただきました。M課長さんから「ホスピタリティーゆたかな職場なので、すぐにみんなと仲良くなれますよ」と励ましのお言葉をいただいていましたが、Hさんが挨拶すると、すぐに社員の皆さんから歓迎の拍手をいただきました。

 Hさんが業務をおこなう机もちゃんと用意してくださっていました。担当者(キーパーソン)となるFさんと向かい合わせの席で、M課長さんの席からもHさんの様子が見渡せる絶好のポジションでした。1時間程、Hさんの横に座って、Hさんの働く様子を見ながら、職場全体の様子も見させていただきました。

 キャラクターグッズを販売するショップを全国に展開されている企業ということもあって、アルバイトの店員さんも含めて、人事に関わる業務は、すべて、ここ本社の人事課に集中するようで、ひっきりなしに電話がかかってきます。おそらく、電話回線も5回線はあると思うのですが、必ず、2回の呼び出し音で、誰かが電話を受け、ハキハキとした気持ちよい挨拶で用件をうかがった後、テキパキと担当者につないでいきます。とても活気がある一方で、あくせくした雰囲気はまったくなく、笑顔とゆとりのある職場であると感じました。多分、初日ということで、Hさん自身は、周りを見渡す余裕はなかったかもしれませんが、Hさんにとって、とても働きやすい職場であると思いました。

 Hさんには、毎日の業務内容等について、帰宅後に、メールで「らいむ」に報告をお願いしています。律儀なHさんですから、きちんと約束を守って、昨日、一昨日と「らいむ」にメールが届いています。私の方も、「返信」を入れる約束をしています。昨日のメールには、こんなことが記されていました。

「天野さんのおっしゃる通り
(企業名)さんが細やかな配慮をされてくださっていることを
ひしひしと感じました。
大変有難いことだと思います。」

「明日(11日)はお休みなのでゆっくりと休養して
木曜日からまた元気に働こうと思います。
皆さんが応援して下さるのでとてもうれしいです。
これからも宜しくお願いします。」

 いつも感謝の気持ちを忘れないで、全力を尽くすHさん。

 Hさんの障害や病気ではなく、Hさんの人柄や長所を見てくださった企業さん。

 今回のジョブマッチングがうまくいくことを心から願っています。

(お知らせ)

 本日(11日)の夜8時から、NHK教育テレビの「福祉ネットワーク」で、ウィズ町田の「美空」と「らいむ」のとりくみが紹介されます。昨年10月に放映された番組の再放送ですが、見逃してしまった方は、是非、ご覧になってください。番組の中で、「主人公」として取り上げられたいたTさんも、今年になって、めでたく就職が決まり、「美空」での体験を活かして、中央林間にあるスーパーの青果部門で働くことになりました。

 今日は、朝から「美空」のお手伝いにいってきました。休日にもかかわらず、「美空」の利用者の人たちは、朝早くから出勤して、黙々と作業をこなしていました。私にとっては久しぶりの「美空」でしたが、利用者の皆さんひとりひとりが、本当によく自分で考え、周囲を気遣いながら、しっかりと作業をこなしている姿に感銘を受けました。「美空」の皆さん、休日出勤、本当にお疲れ様でした。

(天野)

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