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2009年1月

13の支援機関が集まった企業の支援機関連絡会議

 今日は午後から、品川区まで出かけて。「ソニー光株式会社就労支援機関連絡会」に参加してきた。

 過去のブログでも紹介したと思うが、ソニー光さんは、ソニー株式会社の特例子会社で、「らいむ」からは、厚木にあるテクノロジーセンターのメール室で2名の登録者の方がお世話になっている。

 ソニーさんでは、他に大分県にソニー太陽、栃木県にソニー希望の特例子会社を持たれているのをはじめ、一般職でも多数の障害者を雇用されており、算定グループ全体の実雇用率は、法定雇用率を上回る2.21%となっている。

 今日の会議は、ソニー光で働く障害者社員の方を支援する各支援機関と、ソニー光の社長さんをはじめ、ソニー本体の障害者雇用に関わる社員の方とで、情報の交換と共有を目的としたもので、年2回の開催となっている。ソニー光さんでは、現在、35名の障害者社員の方が働いており、関係する支援機関も東京、神奈川の13ヶ所となっている。

 三多摩の支援機関としては、「らいむ」が唯一参加(これは、もちろん、厚木TECの最寄駅である小田急線本厚木駅まで、急行で15分という地の利あってのこと)。普段はあまりお話する機会もない23区内や神奈川県の支援機関の方ともお話できる貴重な場となっている。(今日は、会議の後、トンボ返りで、病院同行の支援があったので、殆どお話できずに、本当に失礼してしまいましたが…)

 「らいむ」の登録者の方、おふたりも、就労継続1年4ヶ月目に入り、勤務の方はとても順調です。定期職場訪問の際に感じたおふたりの成長や、面談で伺った休日の過ごし方や、仕事に対する気持ちなどを、報告としてお伝えしたところ、「らいむ」だけでなく、他の支援機関の方についても、社員のおひとりおひとりに対して、社長さんから温かいコメントをいただけたことをとてもありがたく思いました。

 「らいむ」の登録者のひとりのSくんは、現在、「らいむ」があるのと同じ、町田市の複合施設の中にある生活施設で生活していますが、最近、別の生活施設に体験入寮して、そちらに移ることを考えているようです。今日の会議の参加するにあたって、昨夜、今の生活施設の職員の方ともお話させていただきました。最終的には、本人の判断に委ねるしかありませんが、今の生活施設の職員の方も、「らいむ」の職員も、そして、会社の担当者の方も、新しい生活施設に移ることで、Sくんの「怠け心」が悪いほうにでてしまって、生活基盤が崩れてしまうのではないかと心配しています。

 とても順調にいっているように見える就労であっても、生活の部分がひとつ崩れだすと、すぐに就労にまで悪影響を及ぼし、就労継続が難しくなってきます。だから、Sくんには、会社の担当者の方の気持ちも含めて、自分にとって何が一番良い選択かということを考えてもらえるような働きかけをしていきたいと考えています。

 駆け足で町田に戻り、Oくんの病院に同行。新しいアルバイトを始めたばかりのOくんが、とても良い表情で迎えてくれ、主治医の先生からも、「調子が良さそうだね」「がんばりすぎない程度にがんばって!」と声をかけていただき、安心しました。

 もう少し、書きたいこともあるのですが、残念ながら、退館時間になってしまいました。続きはまた明日。

(天野)

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とても実り多い会社説明会(面接会)となりました。

 ブログのアクセス数が本日で1万件を突破しました。

 ブログをはじめた頃は、1日に,たった10件くらいのアクセスしかなかったのが、今では、1日に100件以上のアクセスが当たり前の「人気ブログ!?」になりました。

 ブログのアクセス数が増えたきっかけとして予想されるのが、この間の、就労・生活支援事業の「公募問題」(あえて、「問題」と書かせていただきましたが…)というのが、少し複雑な気分ですが、「公募問題」に限らず、就労支援の現場の具体的なできごとを書かせていただいていることも好評のようです。

 訪問者の方は、シャイな方が多いのか、ブログのコメント欄に記入される方が少ないことがちょっと残念です。(コメント欄への記入が結構、面倒であることも関係していると思います) 多分、お寄せいただいたコメントに、こちらからまた、コメントする時間は取れないと思いますが、、どうぞ、ご自由に意見を書き込んでください。批判的なコメントも含め、目に余るもの以外は、原則的に消去したりはしませんから。

 ホームページへのアクセスの方は、過去4年半で、2万6千件ですから、もはや、完全にブログの時代を感じます。でも、常連さんの美羽さんや千佳さんのように、掲示板での交流を楽しみにしてくださっている方もいらっしゃるので、細々と続けていきたいと思っています。(記事の更新は、多分、おそらく、ほぼ、ままならないのですが…)

 今日は、昨日のブログに書いたとおり、国分寺まで会社説明会(面接会)に行ってきました。体調の優れない方と、次の進路がほぼ決まりそうな人が欠席となったため、結果、6名の参加となりました。

 企業の参加数は20社と少なかったのですが、昨今の不況下においても、障害者雇用を積極的に進めたていきたいと考えていらっしゃる企業が参加されており、「本気度」の高い面接となりました。

 私が担当したHさん、Nさんともに、2社ずつ面接を受けてきましたが、ふたりとも、なかなかの好感触でした。

 精神障害のHさん(男性)。1社目は、まだ、精神障害の方を雇用されていない企業ということもあって、面接官の方も、精神障害ということについては、あまり深くはご理解されていないようでした。どこの企業でも、うつの社員の方が相当数、在職されていることもあって、「気分の落ち込みや、出社できなくなってしまうことはないか?」といった点が一番の心配事であるようでした。統合失調症とうつの違い、精神障害の人の場合、通院と服薬が就労の前提条件であるといったことをお話させていただくとともに、Hさんの場合は、社会復帰、一般就労に向けて、段階的に多くの機関が協力しながら、ステップアップを重ね、今の段階においては、主治医も在籍する福祉施設も、支援機関も十分にHさんの就労は可能であると共通の認識を持っていることをお話させておただきました。

 2社目の企業は、この間、精神障害のある方を新に雇用され、その方が実習からトライアル雇用に進まれているということもあって、3人の面接官の方が、「らいむ」で準備したプロフィールカードに加え、Hさんが持参した履歴書、職務経歴書、自己紹介文を精読したうえで、「本気度」の高い面接を実施してくださいました。これまで何回も精神障害の方の面接に同席させていただいてきましたが、大体は、病気や症状のことばかり質問されて、面接が終了ということが多い中、本人の就労に対する考え方や、どんな仕事がしたいのかという、健常の方の面接と同じ質問に終始してくださったことをとても嬉しく思いました。

 事務職希望、しかし、事務職自体の経験がないHさんに対して、「(面接の)お話を聞いていても、履歴書等を拝見しても、事務職の適性があるように感じる」「一番、人的体制のある本社でまずは勤務して、ひとつずつ仕事を覚えていくことがよいのではないか」「自己紹介文にも書いていらっしゃるように、わからないことは、そのままにせず、何でも聞いてほしい」「会社としてもそのような姿勢を強く望む」と、Hさんの障害や病気に拘るのではなく、Hさんの人間性そのものをご評価してくださり、本社での2週間の実習。そして、実習後のトライアル雇用の提案までしてくださったことに、Hさん自身も感謝の気持ちと手応えを感じたようでした。

 もうひとりのNさんは、当法人の就労移行支援事業所「美空」に通所している男性。

 話が少し、脱線してしまいますが、昨年、NHKの「福祉ネットワーク」という番組で、この「美空」と「らいむ」の連携が紹介され、大きな反響を呼びました。NHKにも、再放送を求める声が多数、寄せられたということで、2月11日の再放送が決定したという連絡をNHKの担当ディレクターからいただきました。前回の放送をご覧になった方も、見逃してしまった方も、就労移行支援事業所が抱える問題点、「美空」や「らいむ」の活動の実際と果たすべき役割を再確認する意味で、ぜひ、ご覧になっていただきたいと思っています。(以上、「番宣」でした!)

 Nさんが面接を受けた2社は、スーパーマーケットを経営されている企業。すでに「らいむ」の登録者がお世話になっている企業ということもあり、2社とも、「美空」のことは、よくご存知で、「美空で身につけてきた力を、実際の仕事に活かしたい」というNさんの志望動機については、大変、温かい理解と期待を示していただけました。Nさん自身もこの間、「らいむ」で、就労に向けての模擬面接や履歴書作成を重ねてきたこともあって、面接でも堂々と受け答えし、「働きたい」という意欲を十分に伝えることができたようです。

 結果、1社からは、実習先となる具体的な店舗名まで、示していただき、連絡待ちの状態。もう1社も、一度、本社に持ち帰るが、ぜひ、実習を考えていきたいというほぼ「満額回答」を得ることができました。

 他の職員が担当した他4名の登録者の方も、すでに実習の日程を提案された方もおり、全員が次の展開に進めそうという、大変、実りの多い面接会となりました。

 職員として、何より嬉しかったのは、今回の面接会に参加した登録者の人、全員が、何時間もかけて履歴書を書いたり、苦手な面接の練習をしたり、事前にホームページを閲覧したり、実際に店舗を下見したりといった準備を重ねて、今回の面接会に臨んだこと。そして、本番で普段以上の力を出し切ってくれたことです。

 面接会が終わり、町田に戻ってきたときに、みんなが、「今日は1日ありがとうございました。これからも、どうぞ、よろしくお願いします」と心のこもった挨拶をして帰っていきました。

 仕事をするために、一番大切なことは、仕事は決して自分ひとりの力でやっていけるものではなく、周囲の支えがあってこそやれるもの。だからこそ、どんなときでも、「感謝の気持ち」を忘れないことだと、改めて、みんなから教えられた気がします。

 「こちらこそ、今日は1日、素晴らしい場に立ち会わせていただいて、ありがとう!」 みんなに送りたい職員の気持ちです。

(天野)

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模擬面接 五態五様、明日の面接会、がんばるぞ!

 明日は、国分寺で、(財)東京しごと財団心身障害者職能開発センター主催の「障害者企業合同説明会」が開催されます。「らいむ」の登録者も8名の方が参加する予定になっています。

 一方で、1月19日からスタートしているウィズ町田の「就労に向けての委託訓練」。こちらは知的障害のある4名の受講者が参加していますが、前半戦のプログラムは、

初日 AM オリエンテーション PM 身だしなみについて・実際の身だしなみチェック

2日目 AM 挨拶やお辞儀の仕方、正しい敬語の使い方、 PM 挨拶やお辞儀の演習、 報告・連絡・相談について

3日目 AM メモの取り方  PM 仕事の理解、実際に部品の組立を体験した後、マニュアル作成の演習

4日目 AM 履歴書の書き方(クイズ形式で学ぶ)、PM 履歴書の作成

5日目  AM 自己紹介文の書き方 PM 自己紹介文の作成

6日目 AM 働く目的、給料と生活 PM 面接の受け方、模擬面接

7日目 AM ハローワークの利用の仕方、 求人票の見方、PM ハローワークの見学と職員さんの話を聞く

8日目  職場見学(株式会社ワタミ様)

という流れになっています。

 なお、後半戦は、9日目~17日目まで、ウィズ町田の3つの事業所で、作業実習を体験し、最終18日目が修了式となっています。

 今日は委託訓練の6日目ということで、午後からの模擬面接の演習に、面接官として、参加することになりました。(なんだか、このところ、模擬、本番を含めて、面接ばかりしているような気がしますが…)

 午後1時半から3時半まで、2時間かけて、4名の委託訓練受講生と法人内の事業所から飛び入り参加の1名、計5名の模擬面接をおこないました。

 最初に面接に臨む姿勢について簡単に話をした後、「今までに企業の面接を受けたことがある人?」という質問には、3名の人が手を挙げました。

 「今日の模擬面接官は、優しい面接官と、超コワイ面接官のどちらかを選べます。どちらが良いですか?」という問いかけに、「命がけで超コワイ面接官に挑戦してみる」と手を挙げた人が1名。何かの対戦ゲームと混同してしまっているのか、かなりのハイテンションが心配。

 トップバッターは、明日の会社説明会に参加予定のSくん。ガチガチに緊張しまくって、最初の「それでは、まず、お名前と生年月日と年齢を教えてください」という質問から、ずっこけてしまい、やり直し。(質問がまったく耳に届かず、「町田から来ました」と答えてしまいました)

 志望動機を述べるところでは、会社の商品(キャラクターグッズ)について詳しい説明をしてくれました。会社のことを事前によく調べているという努力は十分に評価したうえで、「仕事に自分のどんな力を活かしたいか」ということも明日はアピールできるように、後に面接を受ける人たちの答えも参考にして、考えてくることを宿題にしました。

 「最後に何か、会社に質問や要望がありますか?」という問いに、「ご当地グッズのアイテム数をもっと増やした方が良いと思います。たとえば、沖縄ならシーサー●●だけではなく、ゴーヤ●●なんかが良いと思います」(Sくん、キャラクターのことはもういいから。でも、明日はこの熱意をぜひ、評価してほしい!)

 2番手は、S2くん。19歳の若手で、面接を受けるのは、模擬面接も含めて、今回がまったくの初めて。トップのSくんの模擬面接を真剣に見ていたこともあって、出だしからスムーズ。

 訓練が始まる前の週に、5年ぶりのてんかんの発作が出たというので、発作のことについて聞いてみた。「もし、職場で発作がでたときには、どうすればいいですか?」という問いに、「安全なところで、寝かせてもらい、安静にしていただければ大丈夫です」「救急車とかは呼ばなくてもいいの?」「呼ばなくても大丈夫です」「発作はどれくらいの時間で治まるの?」「(自分には)意識がないので、どれくらいの時間で治まるのかわかりません」「ずっと意識が戻らない場合でも、救急車を呼ばなくてもいいの?」「(自分には)意識がないのでわかりません」と、なんだか、段々、怪しくなってきました。

 自分の病気や障害の状況を的確に企業の面接官に伝えることはとても難しい。もちろん、こんなときには、同行する「らいむ」の職員もフォローに入るが、面接官の人を不安な気持ちにさせないように、たとえば、「ここ数年、大きな発作は起きていません」「薬をきちんと飲んでいれば、よっぽどのことがない限り、職場で発作が起きることはありません」「通常は、10分くらいで意識が戻ります」「もし、10分しても意識の戻らないときは、救急車を呼んでください。でも、今までに救急車のお世話になったことはありません」と、まずは、安心してもらうことが大事と、話をさせてもらいました。

 初めてにしては、上出来のS2くん。「緊張して、ワキ汗かいた」と紅潮した顔で感想を述べてくれました。

 3番手は、「超コワイ面接官」を志願したIくん。実は履歴書のフォーマットの日付が最初から平成20年8月になっていたのだが、書類を差し出されたところで、「ダメだよ、君! 今日は何日だい? 履歴書を使い回しするなんて、もってのほか。今日は面接はできないよ! 履歴書を持って帰りなさい!」と叱って(もちろん、演技ですよ!)みたところ、「申~しわけありません!」と平謝り(彼も、半分以上演技モードです)。

 あまりに見事な返し方に「超コワイ面接官」も面接を続行。受け答えもハキハキとしていて、実に好印象。

 Iくんの障害(アスペルガー症候群)について質問したところ、返ってきた答えは、教科書に出てくるようなあまりにも専門的な答え。これでは、発達障害についてあまりご存知ない面接官の方には、伝わないので、「要するに、相手の人の心や表情を読みとることが苦手っていうことかな?」と返すと、「はい、その通りです」という答え。このあたりは、やはり職員のフォローが必要なポイントになりそうです。

 この間、前髪の長いことが気にかかっていたのだが、障害からくる拘りなのかなという思いもあって、なかなか聞けなかったことも、模擬面接に乗じて聞いてしまえということで質問。「うちの職場では、長髪、特に前髪の長いのは禁止しているが、Iさんは、もし、採用ということになったら、私のように坊主頭にしてもらってもいいかな?」という問いかけに、「はい、大丈夫です」という答え。そこで、面接を一時中断して、「じゃぁ、明日は、前髪を少し切ってきてね」と、すかさず、突っ込みを入れておきました。(拘りじゃなくて良かった)

 感想を聞くと、「もっと、おかしな答え方をして、スリルを味わってみたかった」という答え。もしかして、完全に一本とられたのは、「超コワイ面接官」の方なのかな?

 4番手は、最年長のNさん。緊張すると、言葉が出なくなってしまうということで、どもってしまう場面が何度もあったが、つっかえても、お腹から力を振り絞って、語尾までしっかり答える姿に感銘を受けました。

 「面接のとき、うまく答えられなかったり、答えにつまることは誰にでもあること。でも、そこであきらめてしまったらおしまい。最後まで全力を出し切ること」 集団で模擬面接をおこなう良さは、他の人の姿を見て、そこから自分に必要な何かを学べること。Nさんの模擬面接にとりくむ姿から、全員が大切なことを学びました。

 「言葉がうまくでなかったけれど、模擬面接を受けて、本当に良かった」と帰り際に、わざわざ私の席まで来て、挨拶をしてくれたNさん。建前ではなく、本音で気持ちを伝えてくれる心配りの優しさを本当に嬉しく思うし、だからこそ、Nさんの就職活動を最後まで精一杯応援していきたいと思う。

 ラストバッターのS3くんも、明日の会社説明会に参加する予定。普段はウィズ町田の就労移行支援事業所「美空」で働いている青年で、この4月に利用期限が迫っている。今回は飛び入り参加(「委託訓練」には、なぜか、同一法人内の利用者は参加できないという制約がある) 「美空」では、誰もが認める働き手。でも、人とお話することは、ちょっと苦手。

 模擬面接が半ばに差し掛かった頃、S3くんの顔を見ると、この寒い時期にもかかわらず、額から玉のような汗。S3くんにとっては、今日の模擬面接も明日の本番も同じ。もしかすると、みんなに見守られている今日の方がずっと緊張するのかもしれない。模擬面接を中断し、汗をふいてもらい、深呼吸してリラックス。

 S3くんも、21日のブログで書いたHさんやMさんと同じように、今回の会社説明会に参加するにあたって、自分が受ける会社の店舗をしっかりと下見・見学してきている。「うちの会社のお店(スーパーです)に行ったことはありますか?」「はい」「どこのお店に行ってきましたか?」「●●店です」「何か買い物はしましたか?」「お菓子を買いました」「お店の印象はどうでしたか?」「広くて……、明るかったです」(合格!)

 S3くんも、初めての面接体験。明日の会社説明会に参加するにあたっては、家族の理解・協力も得て、スーツを新調した。(今日の模擬面接では、全員がスーツとネクタイを着用。みんな、かっこいい!) 志望動機を問う質問に、今日のところは、まとめてきたメモを見ながら、答えたが、「明日までに、メモを見ないで答えられるように練習してくること!」という声かけに、力強くうなづいた。

 明日の会社説明会に参加する人たち全員の健闘を祈りたい。委託訓練受講生の皆さんにはぜひ、次に続いてもらいたい。

 訓練や面談の後、ヒーヒー言いながら、明日の会社説明会に持っていく「プロフィールカード」(推薦書)の作成にとりくんでいた「らいむ」の職員もこの時間になって、ようやく準備が整いました。でも、就職するのは、「らいむ」の職員ではなく、登録者の皆さん自身です。「らいむ」の職員ができるのはあくまでもサポートのみです。だからと言って、「らいむ」の職員も絶対に力を出し惜しみはしません。最後まで、いっしょにかんばろう!

(天野)

 

 

 

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地球の裏側 コスタリカからのお客様

 今日はコスタリカからのお客様をご案内して、法人内の事業所とハローワーク町田を回ってきた。

 JICA(国際協力機構)のコスタリカ技術研修プロジャクト カウンターパート研修として、今回、町田においでいただいたのは、パウラ(Paula)さんとミゲル(Miguel)さんのお二人。

 女性のパウラさんは、コスタリカの国家リハビリテーション特殊教育審議会ブルンカ支部ソーシャルワーカーという何だかすごい肩書きだが、日本で言えば、全社協(全国社会福祉協議会)のような組織で働いていらっしゃるとのこと。

 男性のミゲルさんは、元々は、自動車修理のお仕事をされていたが、修理中のバスが突然動き出すという事故で、脊椎損傷を負った。現在は、「障害者と脊椎損傷者のためのNGO」の会長職に就かれている。

 今回の研修プロジェクトは、2007年から5カ年計画で実施されているもので、コスタリカの特定の地域(ブルンカ地方)で、総合的なリハビリテーションモデルを作り、全国展開をめざすという、国を挙げての壮大なプロジェクトで、日本への協力要請を受け、JICAの委託で財団法人日本障害者リハビリテーション協会が実施されているもの。

 10日にコスタリカを発ち、12日に来日。すでに1週間の研修を受けられて、相当に疲れていらっしゃるのでないかと思うが、お二人ともまったくそんな気配を見せることなく、見学先では、説明を聞くだけではなく、どんどんと積極的に質問をされていた。そのバイタリティーと貪欲に学ぼうする姿勢には大いに刺激を受けた。

 研修スタートの「らいむ」では、事業の説明の後、昨日からスタートしたばかりの「就労に向けての委託訓練」に参加しているメンバーと交流の機会を持った。今日のプログラムが「挨拶やお辞儀の仕方」といったビジネスマナーを学ぶものであったこともあって、訓練生の皆さんは、それぞれ、スペイン語で自己紹介。

 「Hola(オーラ=こんにちは)」「Me llamo ○○(メ ジャーモ ○○=私の名前は○○です)」という簡単な自己紹介であったが、パウラさんも、ミゲルさんも、みんなの立派な自己紹介にとても感激していらっしゃった。

 ミゲルさんから、特別な挨拶ということで、「Que la vida(クィーラビダ=人生は素晴らしい)」という言葉を教えていただき、みんなで、声を揃えて、「Gracias(グラーシアス=ありがとう)」 訓練生の皆さんにとっても、とても良い経験となったに違いない。

 2ヶ所目のハローワーク町田では、わざわざ所長室を空けていただき、日本の障害者雇用に関わる制度の説明とハローワークの役割、利用法についてご説明いただいた。コスタリカにはハローワークのような機関はないということで、お二人とも、今回のハローワーク訪問には興味津々。

 実際に窓口で、ミゲルさんが、求職者になって、インターネットで障害者求人の検索のシュミレーションまで体験させていただき、大満足。ミゲルさんはプリントアウトした求人票を記念に持ち帰られた。

 大変、お忙しい中、快く見学を受け入れていただき、英語版の資料までご用意いただいたハローワーク町田さんには心よりお礼申し上げます。頭でっかちな厚労省のお役人とは違って、スマートで具体的な説明と、親身なご対応をいただいた職員の方に対して、「日本の地方の組織の職員の方は素晴らしく、優秀だ!」と、感銘を受けていらっしゃったことを申し添えておきます。

 ハローワークを後にして、ウィズ町田のなないろへ。昼食はなないろの給食を召し上がっていただきましたが、おふたりとも器用にお箸を使われるのにはびっくり。パウラさんは女性らしく、日本食の作り方にも興味があるようでした。一方、ミゲルさんは、コスタリカには、甘いお惣菜はないようで、甘辛く煮たカボチャとマメには、手を焼いているようでした。

 昼食後、阿部施設長の案内で、なないろの各フロアーを見学。4F縫製班のプロのデザイナーとのコラボ企画でとりくんでいる「パンのためのトートバッグ」や、3Fの豆腐づくり、2Fの仕出し弁当と給食といった授産科目。また、1Fの重い障害のある人にも理解しやすいように工夫した写真やイラストによるプログラムの説明法などに、とても高い関心を示されていた。

 最後はスワン町田店へ。途中、すみれ会館の前を通りかかった際に、展示してある「初代やまゆり号」を示し、「日本で第1号のリフト付車両が、この町田で生まれたこと」をお話させていただいた。車椅子を使用されているミゲルさんのために、今日の移動には、なないろのリフト車を使っていたこともあって、より印象深いものになったようだ。

 スワンでは、パンとコーヒーを召し上がっていただきながら、守屋店長からご説明させていただいた。昨年のフィリピンからのお客様もそうであったが、やはり、海外の方にとっては、スワンが理想的なモデルとして目に映った様子。パウラさん、ミゲルさんともに、コスタリカでもこのような形で、障害者が社会参加できる場ができればと、話していらしゃった。

 スワンのメンバーが接客の際に、いつも心がけている「ニコニコ」「キビキビ」「ハキハキ」という言葉が印象に残った様子で、パウラさんは、ノートに日本語の文字を写しとっていらっしゃった。

 楽しい時間はあっという間に過ぎて、町田駅でお別れとなった。明日から4日間は、フィリピンでの研修となり、その後、また日本に戻り、最後の仕上げとして、アクションプランの作成をされるという。

 「暑い国と、寒い国をいったりきたりで大変ですが、どうぞ、体調を崩さないように。そして、また機会があれば、町田に遊びにきてください」という私の言葉に、「コスタリカでもパン屋をやります。ぜひ、コスタリカまで食べにきてください」と、明るく返していただきました。

 国は違っても、障害のある人たちの幸せを願う気持ちは同じ。地球の裏側で、同じ気持ちでがんばっている仲間と出会えたことを本当に嬉しく思います。

 「Adios(アディオース=さよなら)」ではなく、「Hasta luego(アスタ ルエゴ=またね」

 コスタリカでのお二人のご活躍をお祈りしています。

(天野)

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中澤選手の「マリノス愛」とKさんの日産プリンスでの就労に拍手喝采!

 ここ数年、Jリーグの横浜Fマリノスのサポーターとして、日産スタジアムのホームゲームのときには、殆ど、毎試合ゴール裏で声援を送っている。

 先週の半ばに、日本代表DFでもある中澤祐二選手がマリノス残留を決めてくれたときは嬉しかった。実はこのオフに中澤選手には、海外のクラブも含め、複数のクラブから移籍のオファーが届いていた。年齢的なことや、2010年のW杯出場を考えると、海外移籍は、最初から考えていないようだったが、国内の2つのクラブ(神戸と大宮)からの移籍オファーには、真剣に悩んだ様子だった。

 マリノスの2年契約年俸1億2千万円(推定)という条件に対して、神戸、大宮の2チームが提示した条件は3年契約の年俸1億5千万円。特に大宮は、中澤選手が埼玉県出身ということもあり、本当に最後まで悩み抜いた末のマリノス残留となった。

 残留の決め手となったのが、「まだマリノスでやり残したことがある」という「マリノス愛」と、30歳を越え、W杯を見据えたうえで、コンディションづくりをおこなっていくうえで、マリノスの充実した設備環境(クラブW杯のために来日したマンUやバルサが練習に使用するくらいのマリノスタウンの施設)が欠かせないという熱い気持ち。

 大宮は、日本人最高額となる1億5千万円の年俸に加えて、スポンサーのNTT関連会社のCM起用も提示していたというから、1億以上のお金を蹴っても、マリノスを選んでくれた中澤選手の男意気に拍手喝采!

 もう3年くらい前になるが、日産スタジアムの駐車場で偶然、試合後の中澤選手に出会った。きっとヘトヘトに疲れているだろうにもかかわらず、サインをせがんで駆け寄る子供たちに、「車に気をつけて!」とさりげなく声をかけてくれた優しさ。

 2年前の三ツ沢競技場(ニッパツスタジアム)の駐車場で、このときは、ネットオークションで悪質なサインの販売事件もあって、サインは控えていたにもかかわらず、こちらの名前を聞いてから、「たかひこへ」と為書き入りで快くサインをしてくれた。

 らいむでは、竹内職員が大の中澤選手フアンで、わざわざ日産車に買い替え、登録番号を中澤選手の背番号の「22」番にしているほど。もし、中澤選手が移籍していたら、あの車は、一体どうするつもりだったのだろうか!?

 ところで、横浜Fマリノスのメインスポンサーである日産自動車でも、らいむの登録者の方が2名働いている。

 そのうちの一人のKさんと先週の土曜日に昼食を共にした。実は、先週半ばに職場でちょっとしたトラブルがあって、Kさんから、らいむに相談の連絡が入っていたことがその理由だ。Kさんから、話を聞いてみたが、Kさんにはまったく落ち度もなく、なんだか「とばっちり」を受けたような印象。

 Kさん自身も、土曜日にあった時点では、もう心の整理がついていて、後を引きずっているような様子もなく安心した。むしろ、就労6ヶ月になるが、この半年間でいろいろな経験をし、今の働き方が自分にはとても合っている。らいむに出会えていなかったら、今も定職につかず、くすぶっていたと思う。だから、らいむの職員にはとても感謝していると話してくれたことで、却って、こちらが励まされることになった。

 Kさんの仕事は、日産プリンスの販売店で、洗車や清掃を主にしながら、ときにはお客様の取次ぎや納車の業務など、多岐に渡っている。もともとはタクシーの乗務員をされていて、2種免許も取得されているので、運転はお手の物。先日は、フェアレディZの納車をまかされて、感激したという。

 9時から13時までの4時間、昼間は自宅に戻り、16時から19時30分までの3時間半働くという変則勤務で、もし我々なら逆に働きにくいと感じるような勤務形態になっているのだが、Kさんには、今のこの働き方がピッタリ合っているという。お客様の少ない時間帯に無理に会社の人に仕事を作ってもらうよりは、自分が必要とされて、バンバン働ける時間帯に目いっぱい働けたほうがストレスを感じないのだという。

 本人の障害特性をしっかりと見極めて、変則的な勤務形態の提案をすんなりと受け入れてくださった店長さんを始め、会社の皆さんには本当に感謝です。さすが、わがマリノスのスポンサー!

 会食の後、一旦、家に戻り、休養して、また、夕方からの仕事をがんばりますと明るい顔で分かれたKさん。実は、中澤選手と同様に、今の職場の前に実習を受けた新宿にある特例子会社からも「内定」のオファーを受けていたが、「自分の力を活かせる場所」として、今の職場を自分で選んだという経緯がある。

 3月にJリーグが開幕したら、Kさんを誘って、中澤選手の応援に出かけたい。今年もやっぱり、「マリノス愛」。

 ライバルチームですが、三菱(浦和レッズ)、トヨタ(名古屋グランパス)、マツダ(サンフィレッツェ広島)にも、今後はぜひとも、らいむの登録者の方の就職をお願いしたいと思います。ん? ホンダはJFLか!?

(天野)

 

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ハローワーク町田さんの、温かいご協力にGracias!

 普段から、就労支援を通して、大変お世話になっているハローワーク町田さんに、ご協力をいただいて、来週の19日(月)と20日(火)にウィズ町田と関連した動きがありますので、インフォメーションさせていただきます。

 まず、19日(月)の午後1時30分から、ハローワーク町田の1F会議室をお借りして、社会福祉法人ウィズ町田のミニ就職面接会を開催します。

 介護・福祉分野の慢性的な人手不足の問題と、派遣切りや非正規就業の問題で混迷を極める厳しい雇用情勢の問題をなんとかうまく結びつけるかたちで、解決の方法を探れないかという思いから、ハローワークさんにお願いして、今回のミニ面接会が実現しました。

 法人全体で7名の正職員を募集するものです。給料は決して高くはありませんが、福祉の仕事に関心のある方は、ぜひ、参加してみてください。詳細は、ハローワーク町田のホームページのミニ就職面接会のページでご覧になれます。

 翌20日は、JICA(国際協力機構)と日本リハビリテーション協会からの要請で、中南米のコスタリカからいらっしゃる研修生を、ウィズ町田で受け入れることになりました。研修プロジェクトの名称は、「コスタリカ国ブルンカ地方における人間の安全保障を重視した地域住民参加の総合リハビリテーション強化」のカウンターパート研修ということで、なにやら超難解なものがついていますが、要は、障がいのある人の作業所づくりや雇用促進のために、日本のとりくみを視察し、学びたいという趣旨です。

 当日は、朝から、1日、らいむを始め、ウィズ町田の事業所をご案内することになっていますが、らいむの就労支援のとりくみを紹介する一貫として、就労支援をおこなう上で、なくてはならないパートナーとしての、ハローワークのとりくみを是非、知っていただきたいという思いから、ハローワークさんに見学と説明をお願いさせていただいたところ、こころよく受け入れていただきました。

 研修の主催者にお尋ねしたところ、コスタリカには、ハローワークのような機関や制度はないということで、是非、実際に自分の目で見て、学んだことをコスタリカに持ち帰って、今後の障害者雇用の促進のために活かしたいということでした。

 昨年の4月にも、フィリピンからの研修生を受け入れましたが、このような形で、ささやかな国際貢献ができることをとても嬉しく思います。急で無理なお願いをこころよくお聞き届けいただいたハローワーク町田さんには、心から「Gracias(グラーシアス)=ありがとう」です。

 前回のフィリピンからのお客様にも、せめてご挨拶くらいは、英語でと思いましたが、情けないことに私の大阪弁交じりの英語では殆ど通じない状況でした。今回のお客様のコスタリカの公用語はなんと、スペイン語。これはもう、日本人得意のあいまいな笑顔でごまかすしかないかなと思っています。

 顛末は、後日、報告することにしますので、お楽しみに!

 それでは、Ciao(チャオ)!

(天野)

 

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プロポーザルの応募書類を昨日、提出しました。

 ウィズ町田では、09年度の就労・生活支援事業の受託者選定公募型プロポーザルに参加するための応募書類を昨日、町田市役所に提出しました。先週の木曜日から書類の受付が始まり、連休をはさんで、昨日13日の午後5時が提出期限でした。

 どこの団体も、書類作成には苦労されたのか、ウィズが締切5分前の時間に書類を提出した直前に1団体。ウィズが提出した後の締切3分前くらいの時間に別の1団体が書類を提出されていたと、提出役の職員から報告を受けました。

 ウィズの提出書類は、1月6日の臨時理事会で第1案を審議し、修正ポイントを確認したうえで、翌7日に最終案を準備し、理事・評議員に送付し、最終方針を確認しました。ウィズの提案文書については、すぐにこのブログに全文掲載しようかとも思いましたが、前回の苦い経験もあるので、結果が公表される日まで、掲載を控えることにしました。

 今日から来週の月曜日までの期間で、庁内に設置される選定委員会で審査をおこない、再来週の月曜日には結果が公表されるということです。結果の如何を問わず、公表後、情報公開請求をおこない、他団体からの提出書類や採点結果について、理事会・評議員会で報告をおこなうという方針もすでに確認済みです。

 そういうわけで、提案文書の公開は後日ということになりますが、ひとつだけ、ウィズ町田としては、今回の公募にどのような形で応募したのかということについてのみ報告しておきます。

 ウィズ町田は、「主に身体障がい・知的障がい・発達障がい」対象支援センターと、「主に精神障がい」対象支援センターの両方に応募書類を提出しています。どうして、そのような形を取ったのかということも含めて、提出書類の中で説明しています。現段階で内容を詳しく書くことはしませんが、そのような考え方に至った趣旨は、過去のこのブログで主張してきた内容と一致するものです。

 今回、就労・生活支援事業の受託者が公募されるということに対しては、ご存知なかった方も、最初はかなりいらっしゃったようですが、さすがにここに来て、公募が実施されることも周知されてきているようです。

 登録者の方や、そのご家族、らいむが支援に入っている企業さんや、就労支援関係者の方などから、「らいむはどうなってしまうの?」「引き続き、支援をしてもらえるのだろうか?」という不安の声が、ひんぱんに寄せられるようになってきました。

 ウィズの理事会では、もちろん、「最悪の事態」を想定した議論もおこなっています。「もっと、現在の登録者や家族に訴え、市役所に声を上げてもらうなどの協力を仰いだほうが良いのではないか?」という意見もありましたが、ウィズ及びらいむとしては、これまで個別に何かをお願いするような対応は一切、取っていません。

 結果はどうであれ、ウィズ町田としては、委託事業としての就労支援に執着するのではなく、、「コーディネート型の個別支援」を柱とする就労支援を法人として続けていきたいと考えています。

 「人事を尽くして天命を待つ」 

 これまでの5年間、当然、至らない点もたくさんありましたが、私たちとしては、自分たちのできる限りの支援を精一杯やってきたという自負はあります。どんな結果が出るか、ウィズ町田としてはもちろんしっかりと経緯を見守っていきたいと思いますが、同様に、みなさんにも、高い関心を持って、見守っていただければと願うばかりです。

(天野)

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ひとりで面接先のスーパーを下見してきたMさんの成長

 1月28日の午後に、東京しごと財団心身障害者職能開発センターの主催する「障害者企業合同説明会」が国分寺労政会館で開催される。

 らいむからは、8名の登録者の方が参加する予定で、現在、準備を進めている。当日は、20社の企業が参加。参加者は、事前に第1、第2希望の企業を挙げ、当日は、指定された企業の面接をまず受けることになっている。

 今日の午後、準備のために来所したMさんは、今回は、スーパーと100円ショップの面接にエントリーしている。その行動力はとても高く評価できるMさん。ひとりで、渋谷のハローワークまで、出かけていき、一般求人の中からどんどん紹介を受けて、面接を受けるまでは良いのだが、なかなか結果につながらない。(ハローワークの求人は、渋谷でも町田でも同じものを検索できるのだが、Mさん自身は、「渋谷の方が求人が多い」と信じ込んでいる。何度も説明するのだが、理解してもらえず、一時は、ハローワーク渋谷に通うために、定期券まで購入していたくらい)

 それもそのはずで、じっくりと求人票を読み込むことはしないで、勤務地(都心志向)や職種(PCは、殆ど使えないのだが、事務職希望)を見て、気に入ったところを受け、失敗しても、その原因をまったく振り返ろうともしないで、また、次の行動を起こしてしまうという繰り返しだったから。

 このまま同じことを続けていても、結果を得ることが難しいと判断して、ハローワーク町田を通じて、渋谷の職員さんにも連絡を取っていただき、Mさんに「考えること」と「待つこと」を身につけてもらおうということになった。Mさんには悪いが、ハローワークの窓口に本人がひとりで相談に訪れた際には、「らいむの職員に相談して、いっしょに動いていきましょう」と声をかけていただくことにした。

 こうして、自分に対する「包囲網」が引かれたことに気づいたMさんが、再び、らいむに相談に来るようになったのが、昨年12月。以後、本人のモチベーションが下がらないように、毎回の面談の中で、具体的な方向性を示し、Mさんの「行動力」が良い方向に発揮されるような支援をおこなってきたつもりだ。

 過去の退職理由をしっかりと見つめ直し、「自分に足りなかった力は何か」「自分の力を活かせる仕事はどんな仕事か」といったことを、真剣に話し合ってきた。その中で、「行動力」に加え、「手先が結構、器用なこと」「時間や約束はきちんと守れること」「指示がうまく理解できたときには、集中力を発揮し、仕事の精度も高いこと」など、自分自身の良さが見えてきた。一方で、「複数の指示が出されると混乱してしまうこと」「時間に追われると、焦って、同じミスを繰り返してしまう」といった弱点も見えてきた。

 こうしていろいろと考えた結果、今回の面接希望として選んだ仕事が、スーパーや100円ショップのバックヤードの仕事となった。前回の面談の最後に、「実際の職場のイメージをつかむために、できれば事前に下見をしてはどうだろうか?」という提案をしておいた。

 本日の面談の冒頭で、Mさんから嬉しい報告がなされた。

 前回の面談の翌日、早速、多摩センターにあるスーパーの店舗を下見してきたという。交通経路や所要時間について、質問してみたところ、テキパキと答えることができた。20分くらいかけて、店内を歩いてみたが、開店直後ということで、お客さんはあまり多くなかった。お店の人は制服の上に、エプロンを着用していたなど、実際に見てきたことを詳しく報告してくれた。

 28日の面接の際には、下見をしてきたことも、しっかりとアピールしていこうと確認しあった。その後、1時間かけて、当日、持参する履歴書を丁寧に清書した。志望動機欄には、Mさん自身が次のような文章を考え、記入した。

 「今までは、一般求人で働いてきましたが、正直きびしいところがありました。障害者求人で自分に合った働き方をしたいと考えて応募しました。早く仕事を覚えてがんばりたいと思います」

 「考えて」時には、「回り道」もしながら、自分の進むべき方向性に気づきはじめたMさんの変化を嬉しく思う。協力体制を築いてくださったハローワークの職員の皆さんにもMさんの変化を伝え、共に喜びあいたい。

 「ところで、Mさん、ハローワーク渋谷には行かないの?」と最後にカマをかけてみた。

 「行ってませんよ。渋谷には遊びに行きたいけど、まずは次の面接で結果が出せるよう、がんばります」という頼もしい答えが返ってきた。

 良い結果が得られるよう、Mさんと一緒にがんばっていきたい。

(天野)

 

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「町田市障がい福祉事業計画」に対するパブリックコメントが募集されています

 「町田市障がい福祉事業計画(第2期)素案」の公表に伴い、パブリックコメントを募集する記事が町田市ホームページに掲載されている。

 トップページ>市政情報>町田市の取り組み>障がい者福祉に関する取り組み>町田市障がい福祉事業計画(第2期計画)で閲覧できる。意見募集は、本日1月11日~1月30日まで。電子メールで意見を提出することもできるようになっており、こういうスマートなやり方は大歓迎だ。

 素案はA4で21枚(表紙を含む)の分量。意見募集の案内文の部分も含めて、すべての文章に一応、ふりがなが振られている。町田市のものに限らず、最近の公的機関が発行する文章には、おそらくは知的障害者対策として、ふりがなが振られている場合が多いのだが、なんだか「嘘っぽさ」を感じてしまうのは自分だけだろうか? 難解な語句にいくらふりがなが振られていても、結局、意味が理解できなければ、何の意味も持たなくなってしまう。このあたりが、まだまだ日本の「バリアフリー」の限界なのかも。自分たちが、知的障害のある人に、伝えるときの反面教師にしていきたい。

 素案で提示された就労支援に関する項目を見てみることにする。

 「Ⅰ.2011年度における数値目標」の「3.福祉的就労から一般就労への移行の目標と達成のための施策」の「(1)福祉的就労から一般就労への移行の目標」。

 第1の特筆点は、以前の「福祉的就労等から」という表記から「等」の字が取れて、「福祉的就労から」に変わったこと。また、「一般就労」を①雇用契約を交わしている、②最低賃金を満たしている、③法定雇用条件を満たしている、④平均週20時間以上の勤務の4条件で規定したこと。また、就労系事業所等を対象に、毎年度の調査実施を明記したことが挙げられる。

 特に「一般就労」の規定は、就労支援事業を実施している各自治体においても、これまで基準が明確でなく、実績数の比較を試みても、正確なものになりえなかったことを考えると、ぜひとも、町田から発信するかたちで、都のスタンダードにしてもらえればと願うところである。

 但し、1点だけ、再検討を促したい。条件④の平均週20時間以上の勤務は、雇用保険の適用対象条件としては、明確な基準になりうるのだが、精神障害者を対象にしたステップアップ雇用の制度を考えると、精神障害者に限っては、週15時間以上を対象にしても良いのではないかと思う。もちろん、単に実績を上げるという意味からではなく、当事者や企業のチャレンジを奨励・評価するという意味において。

 「等」の字が取れ、条件が厳しくなったにもかかわらず、2011年度の目標数60名という数字は変わっていない。目標達成のためには、当然、これまで以上の取り組みへの真摯な姿勢が問われてくることになる。「(2)目標達成のための施策」に分野別に施策が記されている。

 「②障がい者を雇用する事業者等に対する施策」では、具体的な内容がまったく詰めきれておらず、「推進します」「進めます」「検討します」「模索します」といった文末で終わっている。

 通常、お役所のこうした表現は、結局は「何もしないということだ」と判断されてしまうのではないだろうか? (特に「模索します」などという表現は、初めてお目にかかったが、一体何をやろうということなのか?) 障がい者雇用の拡大を図るためには、トップの判断で入札要件の変更や優遇策の実施をどんどん実施すればよいだけの話で、縄張り意識の強い役所の中で、関係部署との協議など悠長にやられていては、計画期間があっという間に終わってしまう。今回は、「(引き続き)行います」とあるが、市長名で企業に感謝状を贈呈するだけの簡単な施策を実施するまでに4年もかかってしまったという前例を繰り返すことのないように願いたい。

 「②就労・生活支援センターと就労を私選する施設に対する施策」では、施策1にまず、センターの複数設置が挙がっている。また、複数設置の理由として、機能強化と支援拡大を挙げている。何度の言うが、センターの複数設置が必要な理由は、現行センターがキャパシティーの限界に達しているからで、行政がまずやるべきことは、1センターあたりの適正規模を明確にし、利用者ニーズに対応して、センターの増設を図っていくことであると思うのだが…。

 施策2で、定着支援の強化の必要性、施策4でジョブコーチの有効活用が挙げられたことは評価点。とは言え、具体策は何も提案されていないが…。

 施策3の、就労継続支援A型の計画的整備は、役所の下請けなど誰もやりたいとは言っていない。実際にこれまで官公需で仕事を提供してきた旧市営授産施設で、地域最低賃金を支給できているところがありましたか? A型事業の成功の秘訣は、「一般の市場で売れる商品」の開発と、職員がどれだけ経営者意識を持って事業に取り組めるかということにある。そのために必要なのは、民間企業からの学び。本当にA型事業を整備するつもりなら、民間の経営コンサルタントに協力を仰ぎ、事業者と市役所がチームを組み、モデル的なA型事業所を立ち上げるべきではないか?

 施策5で、都の宣言や国制度の「就業・生活支援センター」の適用が挙げられたことは、このブログでも以前に提案したことでもあるので、もちろん評価。であれば、なおさら、今のこの時期に何なんでもセンターの受託事業者を慌てて公募で決める必要はないとう思うのだが…。

 「③ハローワークの施策」は良く意味が分かりません。ここでは、ハローワークとの連携の中で、町田市がどんな施策を実施するのかということをもっと具体的に挙げた方が良いと思うのだが…。たとえば、合同説明会の会場を市が無償で引き続き、提供すること。障害者雇用促進月間に庁舎に垂れ幕をかけるなど。また、市役所の臨時職員募集とチャレンジド雇用をリンクさせ、ハローワークで障害者対象の管理選考(ミニ面接会)を実施するなど、すぐにできそうなことはいくらでもある。

 「④就労支援を推進するための町田市の体制強化についての施策」についての施策1で障がい福祉課内に就労支援チームを設置し、就労支援の推進体制を確立します。と、明言されていることは高く評価。できれば、市長の特命機関として、全庁的なPTが設置されれば、一番良いのでしょうが、そこまで高望みすることはやはり無理かも…。まずは、設置されるチームが目標と期間を明確に定め、実績を上げることが必要。あっちの言い分やこっちの言い分にコロコロ流されたり、簡単に前言を翻したりしない「プロ集団」としてのチーム設置を期待したい。

 施策3で、現行の障害者就労・生活支援協議会の件が挙がっているが、この協議会の一部委員の動きについては、何度もこのブログで疑問を呈したり、彼らの意見に対して反論も述べている。個人的には、今のまま継続すること自体、町田市の障がい者就労支援にとっては、何のメリットもないと考えている。したがって、自立支援協議会内に専門部会を設けて、そこで対応していくことが良いと思う。

 その他の事項については、省略するが、いずれにせよ、せっかくのパブリックコメントの機会なので、他の事項も含めて、町田市に意見を伝えたいと考えている。

 皆さんも、この機会に普段考えていることをまとめて、町田市に意見を送ってみられてはいかがだろうか?

(天野)

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障害者雇用率3年連続トップの「ユニクロ」さんに提案を届けたい

 従業員5千人以上の大企業の障害者雇用率ランキング(08年6月現在)が厚生労働省によりまとめられた。

 3年連続でダントツの第1位となったのが「ユニクロ」。法定雇用率1.8%を大きく上回る8.06%という数字から計算すると、実に従業員の12人に1人が障がいのある人ということになる。

 ちなみにランキングベストテンは下記の通り。

1位 ユニクロ  8.06%

2位 エームサービス(給食事業) 5.67%

 ※エームサービスは、以前から障害者雇用に積極的にとりくんでいたが、今回従業員5千人規模になったことで初登場。

3位 すかいらーく  2.86%

4位 オムロン 2.81%

5位 パナソニックエレクトロニックデバイス(電子部品製造) 2.80%

6位 NTT西日本 九州  2.66%

7位 日本たばこ産業  2.52%

8位 NTT西日本 関西  2.50%

9位 東武鉄道  2.43%

10位 西日本鉄道  2.43%

 「らいむ」の登録者の人も、「ユニクロ」さんの3名をはじめ、ランキング上位3社の企業さんにはすべてお世話になっている。

 ランキング1位の「ユニクロ」は、この不況下にあっても、本業で高売上を記録している。「ヒートテック」が大ブレイクしたことで、国内事業の昨年9月~11月期の既存店売上高は、期初計画の1.8%増に対して、18%増と10倍の数値を記録しているという。

 確かに、CMを見ていても、「ユニクロ」のセンスの良さは、他の衣料品量販店と比べて、突出している。「安くて、高機能な商品」を販売し、なおかつ、障害者雇用を通して、社会貢献している。先月の国会での参考人質疑の際にも、障害者雇用に積極的な企業の事例として、あえて、企業名を出させていただいたが、雇用率未達成の大企業は、少しは「ユニクロ」を見習ってほしい。また、厚生労働省も、悪質な大企業に対しては、「逆ランキング」を発表して、社会的制裁を実施すべきだと思う。

 町田から電車で約20分の隣県のA市にある「ユニクロ」で1昨年の7月から働いている知的障がいのあるAくん。仕事の内容は、開店前の店舗清掃と、バックヤードでの「袋はぎ」をしている。(ちなみに、「ユニクロ」で働く障害者のうち、7割は知的障害者で、殆どの店舗で、Aくんがやっている仕事と同じものにとりくんでいる)

 1年が過ぎ、本人も仕事に自信がついてきた反面、ややもすると、自信が「過信」につながり、自分勝手な判断で、ミスを犯してしまったり、失敗の原因を自ら省みるのではなく、他に求めたり、言い訳をしたりしてしまうことが目立つようになってきた。

 Aくんに限らず、他の職場で働く知的障害者に、就労1年を過ぎたあたりから同じような傾向がしばしば見られ、職場訪問の際に、会社から立て直しを求められることが多くなっている。

 Aくんも年頭から、らいむの職員が3日間続けて、職場内支援に入っていたのだが、一区切りついた4日目に、職場から緊急の連絡を受けることになった。台車付の陳列台を激突させて、ドアを破損してしまったという。

 素直で人懐っこいAくんだが、少々おっちょこちょいが過ぎる面もあって、時間に追われたり、複数課題の同時進行が求められると、張り切りすぎたり、焦ったりして、ミスを犯してしまう。開店前清掃で使う掃除機をこれまでに、もう10台近くも壊してきたというのだから、いくら業績好調の「ユニクロ」さんといえども、そうそう優しい顔ばかりはしていられない。

 昨日は、仕事帰りに、「らいむ」に立ち寄ってもらい、担当職員から「お説教」をしてもらったところ、本人もさすがに「まずい!」と思ったのか、神妙な顔つきでメモを取っていた。

 来週、また、担当職員が職場訪問をして、環境調整に入る予定だが、担当職員には、次のような指示を出した。

 Aくんがこれまでに壊してしまった掃除機について、どんな状況で、どの部分を破損してしまったかをデータ化すること。おそらく、一番多いのは、コードを無理に引っ張って、断線させてしまっているものと考えられる。広い店内の陳列台の間を行ったり、来たりするので、我々が同じ事をやっても、コードの始末はかなり大変。

 であれば、コードレスの掃除機。もっと良いのは、「非電化掃除機」を見つけ出して、Aくんにはそれを使って、清掃をしてもらうようにすること。実際に「非電化工房」というホームページで、「非電化掃除機」なるものが紹介されているが、まだ試作段階で、希望者が500名に達したら、注文生産をおこなう予定になっている。

 きっと、Aくんだけでなく、あっちこっちの店舗で、知的障害のある人たちが同じような失敗をしていることが予想されるので、思い切って、ユニクロ本社と掛け合い、すべての店舗で、「非電化掃除機」を導入してもらえるように働きかけてみること。

 そうすることで、「ユニクロ」さんが、障害者雇用に積極的であるばかりでなく、環境問題に対しても、先駆的なとりくみをしている企業ということで、一層、ネームバリューが高まるであろうからというもの。

 若い担当職員は、真剣な表情で、私の話を聞き、最後に「やってみます」と力強く答えてくれた。

 就労支援では、目の前の障がいのある人をしっかりと「個別支援」することと併せて、目の前には居ないたくさんの障がいのある人の姿を思い浮かべ、すべての障がいのある人、そして企業さんにとっても、「価値ある」支援をおこなっていくことが大切だ。そうすることで、障害者雇用も進むし、企業との信頼関係も深まる。キーワードは「想像力」と「創造力」だ。

 若い職員には、少々荷が重過ぎる課題であるかもしれないが、なんとか良い提案をしてくれることを期待したい。

(天野)

 

 

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