「模範社員」のOさんを支えてくださったKさんに感謝!
JR中央線の武蔵境駅から徒歩15分程にある武蔵野赤十字病院に職場訪問させていただいた。
武蔵野赤十字病院では、施設課営繕係という部署で、6名の障がいのある人を雇用していただいている。主な業務は、病院内の各部署から回収した不要になったレセプト用紙などをシュレッダーにかける仕事と、敷地内の草刈や花壇の手入れなどをおこなっている。(町田の市民病院でもこうした業務の切り出しをすれば、知的障がいのある人の仕事をつくることができるにちがいないのに…)
らいむの登録者のOさんは、ここに勤務して、6年半になる。らいむができる以前から勤務しており、パソコンのサークル活動の仲間から、らいむの話を聞いて、去年の5月にらいむの登録者になった。
登録してから、半年くらいの間は、時たま電話をかけてきては、近況報告をしてもらう程度の軽い支援であったが、今年になってすぐに、ハローワーク三鷹の職員さんから連絡をいただき、職場で少し心配な様子が見られるので、職場訪問への同行をお願いしたいという依頼を受けた。
職場のトイレの個室内で、なにやら物騒なことを独り言していたという話であったが、職場訪問し、本人から話を聞いてみると、新人が入ったことで、Oさんが業務の指示などを任せられる立場になり、そのことがプレッシャーになって、少し不安が強まっていたということであったが、それと併せて、他の障がいのある人のところには、地元の支援機関の人が職場訪問に来るのに、自分のところには来てくれないという不満もあったようだ。
Oさんに、それまで、なかなか訪問できなかったことを詫び、今後は、3ヶ月に1度は必ず職場を訪問することを約束した。実際、職場の上司の方からお話を伺っても、「とにかく真面目で、よく頑張っている」(毎朝5時に起きて、6時30分に家をでる)「みんなの模範になるような社員」とすこぶる高い評価をいただいており、勤務上、何の問題もない人だが、Oさんにとっては、自分にも、みんなと同じように支援機関がついていて、ちゃんと応援してくれているんだということが、仕事のささやかな支えになっているのかもしれない。
今日の訪問に関しては、Oさんから「是非、訪問してほしい」と特別に要望を受けた。理由を訊くと、Oさんと一緒に入社され、Oさんを初めとする5人の知的障がいのある方を指導する立場で働いていらしゃったKさんが、今日16日付で定年退職されるので、らいむからも一言ご挨拶を願いたいということだった。
Kさんは、軽度の下肢障がいをお持ちの方。Oさんが6年半がんばってこれたのも、もちろん、Kさんの支えがあってのこと。訪問するたびに、「Oさんは本当にがんばってくれている」「こんなことができるようになった」と、Oさんの良さをしっかりとつかんだ温かい言葉をいただいていた。
現役最後の日にもかかわらず、Kさんは、普段とまったく同じように、Oさんたちに絶えず声をかけながら、先頭に立って働いていらっしゃった。これまでOさんたちがお世話になったご挨拶をさせていただくと、「俺が居なくなると、Oさんが一番の古株になってしまう。でも、Oさんなら、きっとみんなをうまくリードしていってくれるよ」「管理の方(ほう)にも、Oさんたちには、無理はさせず、力をうまく引き出すようにと話しておいた」と、最後まで、Oさんたちを気遣う姿勢を示してくださっていた。
きっとお互い、本当は寂しい気持ちでいっぱいのはずなのに、笑顔で言葉を交わすKさんとOさんの姿を見ていて、胸がジーンと熱くなった。そして、Kさんには及ばずとも、これからも、Oさんの就労を支えていくことを心に誓った。
夕方から次の面談の約束があったので、Oさんの終業時間を待たずに、一足早くお暇させていただいた。駅までの帰り道、木枯らしが冷たかったけれど、心はほんわりと暖かかった。
Kさんの第2の人生が、幸多きものとなりますように!
(天野)


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