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2008年5月

就労移行支援事業所 ジョブトレーニー・カレッジを訪問

 今日は、午後から町田市内の就労移行支援事業所 ジョブトレーニー・カレッジさん(以下、JTC)を訪問させていただき、作業の見学と情報交換をさせていただいた。

 JTCは、社会福祉法人ではなく、株式会社形式で運営する全国的にも非常に珍しく、また注目を集める就労移行支援事業所だ。人材派遣会社ののスタッフサービスさんのグループ企業として、スタッフサービスさんや、グループ内の特例子会社と連携を取りながら、事業をおこなっていらっしゃる。

 事業所内でおこなう作業訓練は、パンフレット業務(組みから発送まで)とシュレッダーリサイクル業務の2本立て。その他にも、就労に必要なコミュニケーション能力の習得のためのグループミーティング、PC研修、マナー研修、就労SST、企業実習など、多様な活動をおこなっている。

 こうして日々の実践を積み重ねた結果、2007年6月の開設以来、これまでに8名の方を一般就労に送り出すという成果を挙げている。

 実際の作業の様子も見学させていただいたが、視覚的なマニュアルの整備、課題や達成度を数値化し、フィードバックすることで、利用者の自発性と目的意識を高める工夫、利用者の安全と理解を高めることを目的に企業と共同開発した備品やシステムの導入、そして、何よりも気持ち良い、我々、来訪者へのあいさつと、さすがに企業ならではのクォリティーの高い計画的な支援がおこなわれている。

 見学の後、職員の皆様と懇談の席を持たせていただいた。

 まずは、「らいむ」の事業についてお話させていただき、次いで、就労移行支援事業所の役割や課題についての意見交換をおこなった。らいむの運営主体であるウィズ町田でも2ヶ所の就労移行支援事業所を運営しているが、やはり共通する悩みは、就労移行支援事業の一番の目的である一般就労に利用者を送り出すと、その途端に、その方の利用がなくなり、公費が入ってこなくなってしまうという制度上の矛盾だ。

 一般就労する人が出ることは、もちろん事業に関わる我々にとっては、かけがえのない喜びだが、一方で、「さて、次の利用者が入るまで、運営(経営)をどうする?」というジレンマが常につきまとう。

 「障がい福祉事業計画」「中期経営計画」に掲げた2011年度に年度内60名。2007年度から5年間の積み上げで170名の福祉的就労から一般就労への移行および職場定着の目標数値を達成するために、市としては、我々、就労移行支援事業所に大きな期待を寄せていることは分かるが、このジレンマを解消する手段(施策)を一刻も早く、具体化しない限りは、目標達成はきわめて困難だ。

 就労支援機関である「らいむ」との連携、合わせて、市内の就労移行支援事業所間の横のつながり(連絡会などのネットワークづくり、利用者の情報共有など)の必要性を課題を確認して、懇談を終えた。

 JTCの職員(社員)、利用者の皆様、本日はありがとうございました。今後とも、お付き合いをよろしくお願いします。

 

 

 

 

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やる気と本気を見せてほしい

 3月3日付で町田市に提出した要望書の回答書(5月20日付)を受け取った。その内容に関して、5月23日に岩崎副市長、土屋地域福祉部長、富岡障がい福祉課長と懇談会を持った。

 

要望書・回答書については、下記で全文がご覧になれます。

http://homepage3.nifty.com/wsc-raimu/youbousyo080303.pdf

http://homepage3.nifty.com/wsc-raimu/kaitou080520.pdf

 懇談会の中で、要望書の内容に関連して、見解(というより「読み方」の大きなくいちがいがあったので、報告したい。

 要望項目の第1点は、(原文をそのまま転記するが)

 「人件費・事務費等について、ご指示に従い、予算(案)を作成しましたが、利用登録者の「らいむ」事業所外の支援に係る、旅費交通費、燃料費相当分については、捻出することが困難です。就労のための企業開拓、面接同行、職場定着のための企業訪問等に係る費用については、市単独の加算をつけてくださるよう要望いたします。また、市単独加算が不可能な場合は、利用登録者に対して、自己負担をお願いする旨の周知文書を、市長名で発行してください」となっている。

 皆さんは、この要望内容をどのように読み取られるだろうか?

 確かに稚拙な文章で、分かりづらいかもしれないが、この文章を作成した私の主張はこうだ。

 「らいむの登録者数が毎年、100名ずつ増加している中で、利用者の面接に同行したり、職場訪問をする回数も年々、登録者数の増加に比例して増えている。委託料の範囲内でという指示に従い、予算を作成したが、どうやっても、らいむの職員が登録者の面接同行や職場訪問するのに必要な「旅費交通費」や「燃料費」を捻出することが難しい。だから、この部分を市の単独加算というかたちで見てはもらえないか? もし、それが不可能な場合には、今まではらいむで負担していた部分を登録者に負担してもらえないと、従来おこなってきたような支援(同行や訪問)を同じようにおこなうのが難しいので、らいむの職員の交通費等を登録者にお願いする文書を市で発行してほしい」というものだ。

 らいむでは、登録者の面接同行や職場訪問をおこなう際、登録者自身の交通費は、従来から本人に負担してもらっている。

 しかし、同行したり、訪問するらいむの職員の交通費は、らいむで負担してきた。

 就労がより困難な人を支援するという就労支援事業本来の主旨、また、市内企業に就職した人と、市外企業に就職した人との間に、支援サービスの格差を生じさせないという目的からだ。

 人件費という固定経費を要望したのではなく、事業規模が毎年、拡大することによって発生する流動経費分を、見てほしい。少なくとも、市の中期経営計画にも掲載されている数値目標を達成する上でも、市の「本気度」をしっかり見せてほしいという思いを要望というかたちに表したつもりでいる。

 この要望に対する町田市の回答は、こうだった。

 「利用登録者の企業訪問等にかかる費用(旅費交通費、燃料費相当分)については、ご本人の就労の実現の趣旨から利用者自己負担です。このことについての文書は、事業実施者である町田市で作成します。」

 当然、この回答については、「とても承服できない」と食いついた。  「就労支援は、障がいのある人が就労した時点で終わりではなく、定期的な職場訪問など、就労定着支援が不可欠だ。職場訪問のための費用を登録者に負担してもらうことなどできない」「就労がより困難な人を支援するために、面接同行をおこなっている。何度も面接を受けても、なかなか結果が出ない人もいる。面接の都度、登録者に負担を求めることなどできるのか?」

 もちろん、ここで登録者に負担を強いるのは、面接に同行したり、職場を訪問するらいむの職員分の交通費のことだ。

 これに対する市の担当者の答えは、愕然とするものだった。

 「要望書で求めている市単独加算の対象は、利用者が面接に行くときに本人が負担する交通費のことだと誤解していた」「部あるいは課の全員がそのように受け取っていた」というものだった。

 一体、どのように読めば、そのように読み取ることができるのだろうか?

 要望書の文章には、「就労のための企業開拓、面接同行、職場定着のための企業訪問等に係る費用」とある。

 「企業開拓」「(面接ではなく)面接同行」「企業訪問」これらの行為をおこなう主体者が登録者本人であるわけがない。「主語」がなくても、当然、「(らいむの職員が利用者の)就労のための企業開拓、面接同行、職場定着のための企業訪問等(の活動をおこなうために)係る費用」と読むのが普通ではなかろうか?

 ところが、地域福祉部、障がい福祉課の全職員が、「らいむの登録者は、面接に行く際、登録者自身の交通費をらいむから出してもらっていた」と「勘違い」していたらしい。

 本当にこんな「勘違い」を全員がしていたのならば、何よりも、らいむの登録者の人たちに誠心誠意詫びてほしい。

 1本の清涼飲料水代、1箱のタバコ代、1食の食事代、それらを削って、採否も不明な面接のために必死で交通費を捻出している人たちのことを、あなたたちはどう思っているのか?

 できるなら、面接に行くために必要な本人に係る交通費自体も、本当はらいむから負担してあげたいくらいなのだ。

 市の回答文書は、まったく矛盾している。

 「利用登録者の企業訪問等にかかる費用(旅費交通費・燃料費相当分)については、ご本人の就労の実現の趣旨から利用者自己負担です」

 企業訪問は、就職している登録者の職場を訪問する活動だ。就労している登録者は、企業(職場)訪問をされる側であり、職場に通う交通費は会社から支給されている。したがって、企業訪問するのは、本人ではなく、らいむの職員である。その費用までも、就労の実現の趣旨から「自己負担」すべきであると言い切っているようにしか読み取れない。

 それでも、市の見解は違うらしい。

 懇談会の席では、「それでは、そのことをらいむの全登録者に、回答文書にあるように、町田市で文書を作成し、周知してほしい」と要望し、市もこれを了解した。

 

 それが本日、市の担当者がらいむに来て、「やはり、町田市から文書は送れない」と伝えた。

 さらに、市単独加算として、予算書に掲げていた100万円を削除して、委託料の範囲内で1日も早く契約書を結ぶようにとの訴えを受けた。

 らいむとしては、「町田市のトップである市長と直接お話させてほしい」「副市長との懇談会の席で約束した、全登録者への文書送付をお願いしたい」ということで、話し合いはものわかれに終わった。

 このまま安易に委託契約を結ぶことはしない方が良いと正直なとこと考えている。単なる条件闘争と捉えられているのかもしれないが、私の一番言いたいことは、市の中期経営計画にも大々的に掲げている就労支援の施策に対する町田市のそして町田市トップの市長のやる気と本気を見せてほしいということである。単に就労支援の問題だけではない。町田の障がい者福祉、いや市民の生活全般に係る施策のあり方について、市の姿勢が問われているのではないのだろうか?

 

 

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特例子会社 オリックス業務支援株式会社を訪問

 立川駅から徒歩約5分にあるオリックス業務支援株式会社を訪問させていただいた。

 同社は、オリックス株式会社の特例子会社として、昨年4月に設立したばかりで、現在18名の障がいのある方(うち15名が知的障がい者)を雇用している。

 らいむからは、今春、町田養護学校(4月からは、町田の丘学園に校名変更となっている)を卒業したIくんが、学校から個別移行支援を引き継ぐかたちで、登録者としてお世話になっている。

 本日は、企業、保護者、支援機関の3者が集い、会社の現状把握と、親睦を深めることを目的に、「保護者連絡会」と銘打って、開催された。

 4月に就任された根本社長から、オリックスグループの理念として、「キープミックス」という言葉が話された。老若男女あらゆる人々の意見を聞いて、風通しの良い職場をつくり、経営に活かすという考え方だ。もちろん、障がいのある社員の人たちもその中に含まれている。

 障がい者雇用に対する会社(グループ)の姿勢も明確に打ち出している。コンプライアンスとしての、法定雇用率の達成。

 1.8%の法定雇用率の0.4%分を、この特例子会社で満たすということで、今年度中に、40名規模に拡大をめざすという。

 また、障がいのある社員の人たちが、仕事にやりがいを持ち、長く働き続けられるよう、三角形(障がいのある人と指導員の1対1の関係ではなく、障がいのある人同士の関係を、指導員がフォローしていく)のコミュニケーションをとりながら、チームワークで仕事を覚えていくことをめざしたいという。

 「作業見学会」の時間を設けていただき、実際の業務も見させていただいた。同社の特徴は、業務内容が非常に多彩で、大げさに言えば、1時間ごとに業務内容が変わるほどだということだ。

 列挙してみると、トイレ清掃、会議室、休憩室の清掃、ビル周り(屋外)の清掃、メール便、郵便物の仕分け・集配作業、社内連絡表の作成、自動車保険証券のファイリング、自動車税納付書の引き抜き作業、郵便物の封入、開封作業、捺印押し作業、コピー用紙の補充、シュレッダー作業、メモ用紙の作成、給茶機の水・粉の補充など(他に視覚障がいの方が、ヘルスキーパー=マッサージの業務をおこなっている)…本当に多種多様だ。

 会社がスタートした時点と比べて、業務内容は3~4倍にも増えている。もちろん、特例の社員の方たちが、一生懸命、仕事を取ってきたという努力があるにはちがいないが、最初からとりくんでいるコピー用紙の補充の作業で各部署を回る中で、グループで働く社員の人たちの障がい者に対する理解が深まり、「あっ、こんなこともできるんだ」「もしかすると、この仕事ならできるんじゃない?」と意識が変わってきたことが一番大きかったという。

 今では、各部署の責任者やマネージャーから、逆に、「こんな仕事はできない?」と提案されることもたくさんあるという。

 障がいのある人たちの働く姿が、他の社員の人たちの考え方まで変えてしまうこと。これこそが、まさに「キープミックス」効果と呼べるのではないだろうか。

 らいむのある町田市では、就労支援策として、2011年度に福祉的就労から一般就労に60名を移行させるという数値目標を、障がい福祉事業計画に掲げている。

 らいむの昨年度実績が、30名の一般就労(うち、福祉的就労からの一般就労は19名)だから、この60名という数字は、とてつもなく重い数字だ。

 実現をめざすためには、民間企業に働きかけるだけではなく、まず町田市自体が知的障がいや精神障がいのある人を積極的に雇用するという範を垂れなければならないと思う。

 先ほど、列挙したオリックス業務支援の業務内容をもう一度、見直してほしい。おそらく市役所の中で、日常的に誰かがおこなっている業務ばかりではないだろうか?

 オリックス業務支援では、これらの仕事を18名の障がいのある社員の人たちがしっかりとこなしている。

 もし、町田市役所が業務の切り出しをおこなえば、規模から見ても、30~50名の障がいのある人たちの働く場所を創出することができるのではないだろうか?

 2月、3月に町田市に提出した要望書の関係で、来週末に副市長と懇談させていただけることになっている。ぜひとも、その席では、障がい福祉事業計画の数値目標達成のために、庁舎内での業務の切り出しと雇用創出を訴えていきたい。

 まずは、実際に障がいのある人たちが生き生きと働いている現場を市の担当者が、いや、市の責任者である市長自身が、観て、学ぶということが必要ではないだろうか。(障がい福祉事業計画のみならず、市の中期経営計画にも同じ数字が挙げられているのだから)

 石阪市長、ぜひ、一度ご一緒に、このオリックス業務支援のような会社を見学に行ってください!!

 会の最後で、Iくんから、「らいむの皆さん、いつもありがとうございます。これからも支援をよろしくお願いします」というメッセージカードをいただきました。

 社会人になって、学校時代の印象よりも2回りも3回りも成長したように感じました。

 オリックス業務支援の根本社長様をはじめ皆様には、このような機会を設けていただきましたことに厚く御礼申し上げます。今後とも、引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

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