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2008年4月

ワタミ 渡邊美樹氏から学ぶ就労支援

 らいむの事業を受託している社会福祉法人ウィズ町田の広報紙の次号の記事を書き終えました。

 広報紙の発行予定は、今月末ですが、このブログで一足早く、紹介させていただきます。

ウィズ町田広報紙第12号から

『理事長の本棚』掲載記事

夢をカタチにするために

 居食屋『和民』チェーン等を展開する外食産業をはじめ、介護、医療、教育、環境など様々な分野で事業拡大しているワタミグループ。これらを統括するワタミ株式会社の代表取締役・CEOの渡邊美樹(わたなべ・みき)氏の著書『渡邊美樹の夢に日付を! ~夢実現の手帳術~』(あさ出版)が今回の本棚の一冊だ。

 渡邊氏は、小学校五年生のとき、父親が経営する会社を清算したことから「大人になったら必ず社長になる」と決意する。

大学四年生のとき、「社長になる」という夢と結びつく何かを探して、海外27ヶ国を旅する。差別や偏見が渦巻く現実から人間不信に陥りかけたとき、ニューヨークで出会ったお店…。そこには、国籍も、人種も、年齢も関係なく、肩を組み、歌い、踊り、食事を楽しむ人たちの笑顔が溢れていた。

 「そうだ! 俺がやりたかったのは、これだ!」と確信する運命的な出会いだった。

 22歳の3月に日本に戻り、「24歳の4月1日に社長になる」と夢に日付を入れる。

 半年間、財務知識を得るため経理会社に勤めた後、会社の設立資金を貯めるため、運送会社のドライバーとして、時には実働20時間を超えて働き、毎月25万円を貯金し、1年間で300万円貯める。

そして遂に、24歳の4月1日に、計画通り『つぼ八』というチェーン店の社長になった。

 「人間の幸せは、お金を手に入れて、楽をして生きることではない」、「人間は夢を実現するためのプロセスのなかで、自分を高めていくために生まれてきた」、「あきらめなければ夢は必ず叶う」

夢をカタチにしていくために、まず成すべきことは、「夢に日付を入れる」ことだ。

 美辞麗句を並べたてることは容易い。しかし、それを実行していくためには強い意志と行動力が必要だ。初めて、自分の夢に日付を入れたその日から、常に夢を描き、夢を行動に変え、夢を実現してきた渡邊氏の生き様には強く尊敬の念を抱く。

 私の職場である就労支援センターらいむに就職の相談に訪れる人たちに、私たち職員が必ず訊ねることは、「どうして就職したいのか?」という動機と、「どんな仕事をしたいのか?」という目標や夢についてだ。

 就労の構造は、ある面、いたってシンプルだ。『毎日、決まった時間に、決まった場所で、決まった仕事をすること』。この3つだけだ。ただ肝心なのは、それらの行動が、自らの意志でおこなう主体的なものであるということだ。この主体性の背景にあるものこそが、働く動機や目標・夢なのだと私たちは考えている。

 「自分の得意なことと不得手なことをきちんと見極めてください」「自分が(企業の中で)生き生きと働いている姿をしっかりとイメージしてください」

 数多ある求人(票)の中から、本当に自分に合った仕事を見つけるためには、自分自身を鋭く見つめ直す力と夢をイメージする力が必要になる。

 「夢はカラーでイメージしよう!」と渡邊氏はいう。あいまいさを残したグレーではなく、鮮明なカラーでイメージすることで、夢は一層、現実に近づく。

 夢をカラーでイメージできたら、「いつまでに就職する?」と問いかけ、夢に日付を入れてもらう。そして、夢を実現するための緻密な計画を立て、着実に実行していく。

 「地球上で一番たくさんの『ありがとう』を集めるグループになりたい」とスローガンを掲げ、躍進するワタミグループ。障がい者雇用にも積極的にとりくまれており、らいむからも数名がこの素晴らしいグループ企業で働いていることを嬉しく思う。

「夢に日付を!」と語る渡邊氏にも、未だ日付を入れることができない壮大な夢があるという。その夢の中味を知りたい方は、是非、本を購入してほしい。この本の印税は一円残らず、カンボジア・ネパールの子供たちの学校建設のために使われるという素敵な「オマケ」もついているから。

ウィズ町田 理事長  天野 貴彦

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夢を乗せて走る「青いロマンスカー」

 先週半ばからドタバタで、

ブログの更新が止まってしまっていました。

情報をいただき、予告までしたのに、ごめんなさい。

 千佳さんから、「ゆっくりでいいよ」と書き込みをいただきました。

「楽しみに待っています」は、しっかりプレッシャーになりましたよ!

 千佳さんと由紀さんの働く職場は、

町田市内にある不動産会社の「朝日土地建物株式会社」さんです。

 就職のきっかけは、平成18年10月に開催されたハローワーク町田主催の合同面接会。

 面接を受けた千佳さんの力を高く評価していただき、10月末にまず千佳さんの入社が決まりました。

 「朝日土地建物」さんにとっては、千佳さんが初めての障がい者雇用でしたが、千佳さんと同時に入社された健常者の方がお辞めになることになった時に、「それでは、もうひとり障がいのある人を雇用してみよう」という社長さんの太っ腹なご判断で、続いて、由紀さんも雇用していただけることになりました。

 最初の頃は、すぐに自信をなくしては、らいむで涙を見せることも多かったふたりですが、上司のKさんの時には厳しく、そして根っこのところでは、とことんまで優しく温かい支えがあって、今日まで何とか無事に勤務を続けてきています。

 「障がいのあることを社員の方に知っていただいたうえで働きたい」というふたりの希望を受け入れ、Kさんが一番最初にやってくださったことは、彼女たちの働く本社はもちろん、すべての支社に彼女たちのことを紹介し、理解と協力を惜しまない体制をつくってくださったことです。

 更に、彼女たちが責任を持って、仕事にとりくめるよう、そして、自信が得られるよう、それぞれが、担当する物件紹介のブログのコーナーをつくってくださったことです。(パソコンの得意なふたりにとっては、自分たちが書いた記事をたくさんの人に読んでいただけることが大きな自信につながったようです)

 就労のモチベーションが継続できるよう、不動産に関係する資格の取得など、少し高めの努力課題を設定してくださったり、彼女たちの顔色を見て、調子が悪そうなときには、「らいむに行って、相談してきなさい!」と業務時間内でも送り出してくださるなどのご配慮には、本当に頭が下がります。

 今回、紹介させていただく、「青いロマンスカーMSE特集」の記事も、きっと新年度を前に少し不安になりかっていたであろうふたりを勇気づけるために、そして、気分転換を考えて、Kさんが企画してくださったのではないかと思います。

 千佳さん、由紀さん、そしてKさんが力を合わせてつくりだした楽しい記事をぜひ、ご覧になってください。(鉄道好きな方は、もうたまりませんよ!)

↓青いロマンスカーMSE特集の記事

http://www.asahi-t-t.co.jp/080328romancecar/index.htm 

 以前に掲示板でも紹介しましたが、ふたりの職場で働く様子が、昨年末の日本経済新聞の記事で紹介されています。併せて、ご覧になってください。

↓日本経済新聞の記事

http://homepage3.nifty.com/wsc-raimu/nikkei%20kiji.pdf

 千佳さん、由紀さん、これからもお仕事がんばってください。

 また、町田近辺で、物件をお探しの方は、どうぞ、ふたりの職場である「朝日土地建物」さんをお訪ねください!(CMでした)

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フィリピンからのお客様

 日本障害者リハビリテーション協会さんから依頼をいただき、フィリピンの全国障害者協同組合連合会のジョニー・ランションさんの当法人施設の見学をお引き受けさせていただきました。

 ジョニーさんの所属する団体、NFCPWD(National  Federation  of  Cooperatives  of  Persons  with  Disabilities)の活動は、障害者の働く場の連合組織として、マーケティング、広報、ビジネスの促進を行い、障害者自身が運営されています。

 日本障害者リハビリテーション協会が3月29日に開催した国際セミナーでの事例報告のために来日されたジョニーさんですが、「日本の障害者就労状況の把握・理解」のために、わざわざ、遠く町田まで来ていただくことになった次第で、責任は重大です。

 ウィズ町田の運営する「なないろ」と「スワンカフェ&ベーカリー町田店」を見学していただいた後、「らいむ」に戻り、「らいむ」のとりくみや日本の障害者就労・雇用の状況についてお話させていただきました。

 ジョニーさんの団体では、フィリピン政府の教育省から注文を受け、12のメンバー組合でシェアして、学校で使う質の良い机やイスを作っているということでした。障害のある当事者の人たちが運営に携われていますが、身体障害の方が中心で、知的障害や精神障害の方の就労・雇用にまではなかなか広がっていかないこと。受注した製品をつくるのに要する期間は、7ヶ月くらいで、残りの5ヶ月は仕事がなくなってしまうことなどが問題・課題として挙げられるということです。

 「なないろ」では、身体、知的、精神の方が、協力し合って、ひとつの仕事に向かっていること。利用者の年齢が18歳から73歳まで幅広いこと。障害の程度や適性に応じて、多様な作業種目が準備されていることに関心を持たれた様子でした。

 特に1階フロアーで、知的障害の重い人たちの理解の手助けとなるよう、写真やカードを使ったとりくみをしていることに対しては、お褒めの言葉をいただくことができました。

 当事者活動として、海外の集会やシンポジウムにも参加した経験を持つ利用者のSさんが、とてもフレンドリーに(英語で)迎えてくれたことも、ジョニーさんには、嬉しかったようです。(Sさんの薄くなった頭について、「地球温暖化の影響で砂漠化したのだという冗談は結構、受けていました。天野も同じですが…)

 「スワン」では、前日に銀座のスワンも見学されたということで、日常的に消費されるパンという製品の可能性についてのディスカッションに、守屋店長も加わって、大いに盛り上がりました。

 日本の旧い(とは言え、現在も効力のある)法律に、国や自治体が障害者に優先発注しなければならない品目として、箒やチリトリなどがあること。単価も安く、1度購入したら、しばらくは買い換えないようなこんな商品を優先発注の品目として義務づけても、障害者の就労や雇用にはつながらないこと。毎日、消費されるパンのような商品を生産し、販売することが工賃(給料)アップにつながることが改めて確認できました。

 フィリピンにもスワンのフランチャイズ店がオープンできれば、知的障害や女性の障害者の就労の機会を大きく拡大できるというように、どんどん夢が広がっていく話となりました。どこまでできるかは分かりませんが、また、とても微力ではありますが、少し(いや相当)本気で動き出してみようと思います。

 夕方の来店で、メンバーの殆どは、仕事を終えた後でしたが、今日から働き始めたばかりのKさんが、生き生きとした表情で仕事に向かっている姿が印象的でした。ジョニーさんにも、スワンのパンや、赤い屋根の豆腐プリンは気に入っていただけたようでした。

 らいむに戻ってからは、らいむの活動についてお話させていただきました。400名を超える登録者の方に、相談から定着まで、ひとりひとりに応じた様々なサポートをおこなっていることに対しては、「Good  Job.  Grate Job」と過分なお言葉を頂戴しました。

 フィリピンと日本の障害者施策の違いについては、勉強不足なため、詳しいことはわかりませんが、「Sheltered  Workshop」、「Shelteed  Employed」の言葉ひとつとっても、共通理解が難しく、日本の場合は、福祉施策と雇用施策が完全に分断されていて、障害者自立支援法でこれだけ就労移行が謳われているにもかかわらず、まだまだ福祉的就労から一般就労への垣根は高いという印象を強く受けました。

 「スワン」のフィリピン出店も含めて、「夢は必ず叶う」。でも、「夢見ているだけでは駄目で、行動しなければ夢は決して叶いはしない」ということを確認しあって、握手を交わしたところで、楽しい半日が終わりとなりました。

 ジョニーさんから、NFCPWDの活動を紹介した119頁もある分厚い英語の本をプレゼントにいただきました。辞書を片手に3年かけて読破すると約束させていただきました。

 どちらかと言えば、英語は得意な方だったはずなのですが、現実のところは1割くらいしか分からず、ちょっとショックでした。専門用語の多い大変な通訳をいただいた平野さん、随行の上野さん、本当にありがとうございました。

 ジョニーさん、「Dreams  Come  True」ですよね! また、お会いできる日を楽しみにしています。

 See  you  again!

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