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2008年3月

感謝の気持ちを決して忘れないKさん

 3年前に仕事中に、脳出血で倒れ、利き手側の半身麻痺の障がいを負ったKさん。

 中学を卒業した後、大工の道に進み、30年間、その道一筋でやってこられただけに、大工仕事ができない身体になってしまった辛さや悲しみは想像に難くない。

 それでも、「何もしないで家族に迷惑をかけてばかりでは申し訳ない」「少しでもお金を稼いで、家族に喜んでもらいたい」と、固い決意で、らいむに相談に来られた。

 Kさんは、とにかく前向きで、明るくバイタリティーあふれる人。今日は就職活動の手始めとして、ハローワークで求職者登録をおこなった。

 登録完了後に、早速、求人検索を試みたが、年度末の今の時期は、ちょうど求人の谷間にあたってしまうためか、残念ながら、適当な求人を見つけることはできなかった。

 それでも、「こうして、再就職に向けてのスタートラインに立てたことが、自分にとっては大きな成果。それも、これも自分のことを応援してくれる家族やらいむの職員、そして親切に相談に乗ってくれるハローワークの職員のおかげ」と、却って、こちらが恐縮してしまうほど、周囲への感謝の気持ちを惜しまない。

 そんなKさんに、対応してくださったハローワークの職員の方も、「Kさんを応援していくぞ」という気持ちを持ってくださったことと思う。

 「次からは、ハローワークにもひとりで来れるよう、帰りは最寄のバス停まで、ひとりで歩いてみます」と、杖を片手に歩き出したKさんをハローワークの前で見送った。

 出会った人たちを必ず、「この人を応援したい!」という気持ちにさせてしまうKさんの不思議な魅力。身体の不自由さから、できないことがあることも確かだが、心の強さ、優しさは誰にも負けない。

 Kさんの就職の朗報を1日も早く、皆さんに報告できるよう、精一杯がんばらせていただきたい。

 

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「京王シンシアスタッフ」さんを訪問

 今日は朝一番に、

多摩市にある京王電鉄さんの特例子会社

「京王シンシアスタッフ」さんの多摩事業所を訪問。

 3月に南大沢学園養護学校を卒業し、

4月から「京王シンシアスタッフ」さんで勤務するUさんの

個別移行支援計画の学校からの引継ぎと、

会社へのご挨拶が訪問の趣旨でした。

 「京王シンシアスタッフ」は、2004年12月に設立

現在は、34名の障がい者スタッフを含む45名の従業員の方が、

多摩事業所と調布事業所の2ヶ所を拠点に

鉄道施設や事業所の清掃、

鉄道乗務員の方の宿泊施設のシーツ交換、

公園の植栽管理や百貨店の用度品加工など、

多種多様なな業務を、チームを組んで、シフト制で43箇所の現場を回るかたちでおこなっています。

 訪問させていただいた時間は、ちょうど、朝礼の時間。

ラジオ体操の後、行動目標の唱和。

「誠実な」社員による、「誠実な」仕事により、信頼される会社を目指します!!!

「安全…ルールを守って安全作業!!!」

「チームワーク…いつも仲間と助け合い!!!」

「あいさつ…職場も心も気持ちよく!!!」

 本当に最後に!マークが3つ付くくらい、

元気で明るく、キビキビとした唱和には、感動しました。

(さすがに、安全運行第一の電鉄会社さん、ならではの迫力です)

 現場に出発していく皆さんを見送った後、

M社長、K業務部長さんからお話をうかがいました。

われわれ支援機関の役割として、

「仕事は会社でしっかり教えるので、生活面でのフォローをお願いします」

また、「定期的な職場訪問を通じて、ご本人の成長を確認していただきたい」との、ことでした。

 卒業したばかりで、まだ少し緊張も見られるUさんでしたが、

現場に向かう際、持っていく、清掃用具について、実物を手に取りながら、しっかりとした説明をしてくれました。

 先輩社員の方から、いろいろと教えていただき、一日も早く一人前の仕事がこなせるよう、がんばってもらいたいと思います。

 鉄道大好きの天野ですから、きっと、職場訪問の回数も増えることと思います(笑)

 「京王シンシアスタッフ」の皆様、本日はありがとうございました。

今後とも、どうぞ、よろしくお願いいたします。

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Nさんの就職に向けてのプレゼンテーション

 一昨日、昨日の、ほとんど丸2日間を費やして、らいむの登録者のNさんの個別支援に向けてのプレゼンテーション資料を作成した。

 20年前の交通事故で、高次脳機能障害を負ったNさんとは、昨年の秋に、お互いの思いのくいちがいから激しくぶつかりあった。その後、5ヶ月くらい、らいむに姿を見せることもなくなってしまっていたのだが、3月に入って、Nさんのお姉さんご夫妻から連絡をいただき、Nさんの様子も落ち着いたので、もう一度、らいむの支援をお願いできないかという相談を受けた。

 先日、お姉さんご夫妻とNさんが来所された際、前回の失敗体験を踏まえたうえで、今回は綿密な個別支援計画を立てて、就職に向けて、計画を着実に実行していきたいという思いをお話させていただいた。

 Nさんからも、「もう一度、就職をめざしてがんばりたい」という固い決意を聞き、今回のプレゼンテーションをおこなうこととなった。

 「高次脳機能障害」とは、交通事故などによる頭部外傷や、脳卒中などによる脳血管障害によって、脳の一部がダメージを負った後遺症として、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害が生じ、日常生活や社会生活に何らかの困難が生じる障害を言う。

 Nさんの場合も、新しいことをなかなか覚えられないといった記憶障害や、二つのことを同時におこなうことが困難な注意障害、感情のコントロールが難しいといった社会的行動障害が見られる。とりわけ、大変なことは、病識欠如(自分が高次脳機能障害であるという意識が弱いこと)の傾向が見られることだ。

 今日のプレゼンテーション資料の作成にあたっては、こうした状況を考慮して、とにかくNさんの興味・関心を引くことと、理解を容易にすること、そして何よりもNさんはひとりぼっちで孤独でいるわけではなく、Nさんの社会参加を応援してくれる人がたくさんいること、中でも家族は一番、身近で理解のある協力者であることをわかってもらえることを願って、パワーポイントで31枚のスライドをつくった。

 プレゼンの反応は、上々であったように思う。

 Nさんの顔つきが変わった。時々、いつものように冗談口調で口をはさみはするものの、今後の就職活動を進めるにあたっては、まず自分の障がいから来る弱点を把握し、それを克服する代償法を考えなければならないこと、自分の周囲にいる理解者・協力者の人たちと良好な人間関係を築かなければならないこと、そして、就職活動は、他人頼みではなく、自分自身が主人公となって進めていかなければならないことを、しっかりと受けとめてくださったように感じた。

 今回のプレゼンは、あくまでもらいむからの提案。就職に向けての目標や課題を決め、計画を立てて、実行していくのはNさん自身であるということも理解していただけたものと思う。

 今日のプレゼンの資料を家に持ち帰り、家族の方と、もう一度、よく相談したうえで、目標と課題を設定した後、らいむに連絡をくださいというお話をして、プレゼンを終えた。

 明るい顔で、帰っていかれたNさんから連絡の入ることが、今、とても楽しみにしている。

 

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多摩地域障害者就労支援事業実施団体連絡会

 昨日は、多摩地域障害者就労支援事業実施団体連絡会の定例会に参加してきました。

 この連絡会は、名前の通り、三多摩地域で障がい者就労支援事業を実施する団体が、隔月に、各市回り持ちで開催し、情報交換等をおこなうものです。(昨日は、立川市で開催)

 今回は、各市の来年度事業計画について、情報交換をしました。

 区市町村事業として実施されている障がい者就労支援事業は、東京都の「区市町村障害者就労支援事業実施要綱」に基づき、各市で独自の要綱を作成し、実施されています。1ヶ所あたりの年間補助基準額は、コーディネーターの配置人数により異なっていますが、町田市の場合は、職員配置5名で、19,335千円/年額となっており、都が1/2、市が1/2の負担となっています。

 らいむが事業を開始した平成16年度は、三多摩地域で、この事業を実施している自治体は、7ヶ所でしたが、今年度は、15ヶ所になっています。すでに区部は、すべての区に就労支援センターが設置されており、平成21年度には、全ての市においても設置されるということです。

 市町村事業ということで、障がい者就労支援に力を入れている市と、そうでない市とでは、各センターの事業計画に盛り込まれるとりくみの内容も大きく違ってきます。

 町田市の場合は、「障がい福祉計画」に加え、「中期経営計画」の中でも、「障がい者就労支援」が重点施策として、挙がっていますから、本当はもっともっと「やる気」を見せてほしいのですが、他市の事業計画を聞いていると、まだまだ物足りなさを感じてしまいます。

 各市の「障がい福祉計画」の中には、就労支援と関連して、授産施設や作業所などの福祉的就労から一般就労に移行する人の目標数を掲げることが義務づけられています。

 町田市の目標数は、平成23年度に年間で60名。平成19年度から23年度までの5年間では、170名の移行という他市と比べても、相当に高い目標数が掲げられています。

 目標を達成するためには、まずは自治体からということで、多くの自治体が庁内での雇用や実習を計画していることが分かりました。

 調布市や八王子市では、すでに何年もこのとりくみを実施しており、国立市、西東京市、清瀬市、武蔵野市でも、実施または計画中ということでした。町田市も実は、昨年中に臨時職として、障がい者の雇用を考えているというお話をいただいたのですが、対象となる障がい者は身体障がいに限るということでした。

 らいむとしては、身体障がいの方は、すでに庁内で雇用されているため、新しいとりくみを始めるにあたっては、知的障がいや精神障がいの方のチャレンジ雇用を検討してほしいという要望を出しましたが、この話は頓挫してしまっています。

 「障がい福祉計画」の大きな目標数値を達成するために、ぜひとも町田市には積極的な方針を打ち出していただきたいと思います。

 「障がい福祉計画」に関連して、もう1点。

 昨日の連絡会でも、各市の支援センターから、「計画に掲げられた目標数の、一体どれくらいを自分たちが責任を持って、果たせば良いのか」といった疑問があがりました。「目標数値の半分くらい?」「いや、100%」といった声もありました。

 これについて、私はこのように考えています。

 「福祉的就労から一般就労への移行数」という考え方からすれば、就労移行支援事業所や就労継続支援事業所など、各市の福祉施設が、それぞれ1ヶ所あたり、年間に何名の移行を達成するかという目標を明らかにすることがまず必要です。

 そのうえで、就労支援センターが、これら福祉施設と連携し、就労支援のノウハウを伝えたり、就労移行や定着をサポートすることが役割ではないかと思います。

 就労支援は、就労できて終わりというわけではなく、その後、どれだけ長く安心して、働きつづけられるかという「定着」の支援が重要です。そのためには、移行数のみを目標に掲げるのではなく、たとえば、目標達成のために、必要なジョブコーチの数を推計して、その養成をはかるといった施策も考えていかねばなりません。

 三多摩地域の支援センターが、ただ情報を交換するだけではなく、こうした施策課題について、足並みを揃えて、行政に要望していけるような流れをつくりだしていくことが必要だと思いました。

 

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ハローワーク町田は、町田市民にとって大切な社会資源

 午前中は、Tさんの求職者登録のために、ハローワーク町田に同行しました。

 職業斡旋(あっせん)をおこなうためには、厚生労働省の許可を受けることが必要になるため、らいむでは、直接、職業斡旋はおこなっておらず、ハローワークとの連携を通じて、仕事探しをおこなっています。

 各ハローワークには、障がいのある人や外国人の方など、就職活動に困難を伴う人たちの相談を受け付ける専門援助の窓口があります。

 ここでは、初めてハローワークを利用する人に、ハローワークの利用の仕方から、求人票の見方、その人の希望に応じた求人検索まで、対面式で丁寧に対応していただくことができます。

 今週末に、町田に転入してくるTさんも、これからの就職活動を考え、ハローワーク町田で求職者登録をおこないました。

 Tさんの障がいは「てんかん」です。

 今は大きな発作が出ることはありませんが、月に1~2回、数秒間、意識が減損する小さな発作があります。主治医の先生からも、普段の日常生活や就労をする上で、大きな問題はないという「意見書」をいただいています。

 とは言え、世間の多くの人たちは、「てんかん」と聞くと、口から泡をふいて、バタンと倒れてしまうようなイメージにすぐに結びつけてしまいます。そのため、障がいのあることを明らかにすると、就職先が見つからなかったり、職を失ってしまうようなことが起こります。

 Tさんも、以前は、「てんかん」のあることを隠して、働いていたことがありますが、やはり、心の中では、発作への不安や、病気を隠していることの後ろめたさがあったと言います。

 今回は、事前の面談で、らいむの登録者の中で、「てんかん」があることをあらかじめ職場に伝え、職場からも理解をいただいて働いている人の事例を話し、Tさん自身も、そのような形で就職活動を進めていこうと方針を確認しました。

 自営のコンビニで店長を務め、その後も、ヘルパーの資格を取得し、契約ヘルパーとして働いてきたTさんは、もちろん、十分に働く力を持たれた方です。

 最初に検索した、障がい者求人の中からは、残念ながら、適職を見つけることができませんでした。「それでは!」と、一般求人の中から検索してみたところ、自宅から30分ほどで通える場所に、ひとつ「これは!」という求人を見つけることができました。

 一般求人に応募するためには、言葉は悪いのですが、事前に求人先の企業についてよく調べたり、採用担当者の方とお会いして、調整を図ることが必要になります。幸い、今日の企業は、ハローワークの雇用指導官の方がよく訪問されており、また、らいむの登録者の方もすでに1名、お世話になっているところだったので、まずは雇用指導官からはたらきかけていただくことになりました。

 引越しが終わって、落ち着いた来週後半くらいから、Tさんの本格的な就職活動を始められたら…と、思っています。

 らいむを始めた頃は、職員自身もまったく利用する機会がなかったハローワークですが、今は多い月には、10回以上もお邪魔させていただいたり、お互いに、登録者の方を紹介したり、情報交換させていただくほど大切なパートナーになっています。

 都内のハローワークの中でも、唯一、所在する自治体だけを管轄しているハローワーク町田は、らいむにとっても、町田市民にとっても大切な財産であると思います。

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「ソニー光」さんを訪問

ソニーの特例子会社「ソニー光」を訪問してきました。

こちらでは、らいむの登録者2名が昨年秋から就労しています。

ソニー光の本社は品川にありますが、らいむの登録者が働く職場は、ソニーの厚木テクノロジーセンター内のメール室です。

広大な敷地内に、イタリアントマトやモスバーガーの店舗もある厚木テクノロジーセンターでは、5千名もの社員の方が勤務しています。これだけのスケールメリットがあるからこそ、メール便集配業務が1日の作業として成り立っています。

メール室の業務は、センター内の各部署への社内メール等の集配と集配先の社員の方の名簿管理。6名の障がいがある社員の方が、2名の指導員の方に支えられて、日々の業務を確実にこなしています。

らいむの登録者のSさん、Sくんは、メール室では一番の新米。

先輩社員と比べると、まだまだ、ぎこちない面も見られますが、それでも、皆さんに支えられて、この半年間で、やっぱり、しっかりと成長してきているように思います。

今日は、2ヶ月に1回、全社員に配布される社内報の配布日ということで、メール集配用のワゴンには、荷物がずっしり満載。身体の小さなSさんが、「果たして、このワゴンを押せるの?」と、心配しましたが、それも杞憂に終わりました。(とにかく、たくましい!)

また、今日、配布された社内報には、奇しくも、ソニーの障がい者雇用の先駆けである大分県・太陽の村内のソニー太陽が、設立30周年を迎えたという記事が掲載されていました。30年も前から、障がい者雇用を企業の社会的責任と位置付け、実践されてきたソニーの企業文化には、心から敬意を表します。

昼食は、明るく、メニューも豊富な社員食堂で、皆さんと一緒に取らせていただきました。Edyカードで決済するシステムに戸惑うらいむの職員を、あっさりと見捨ててくれた!? Sさん、Sくんですが、先輩社員のYさんが、懇切丁寧に最後まで付き添ってくださり、「僕も最初は戸惑いましたよ」と優しいフォロー。

「おい、Sさん、Sくん、これこそが社会人の鏡だよ!」「君たちも、もっとY先輩を見習わなければ!」と、心の中で苦笑い。

見学を終えた後、本社のMさんから、「まだまだ社会経験が不足しているところもあるが、ふたりとも一生懸命にやろうとする姿勢を見せてくれている」「3月で現在の契約は満了するが、4月以降も更新の予定です」という本当にありがたいお言葉をいただきました。

「障害者自立支援法」では、福祉的就労から一般就労への移行が謳われ、各市町村は、「障がい福祉計画」の中で、移行者の数値目標を掲げることとになっており、町田市では、今年度は15名。2011年度には、年間に60名という高い数値目標が掲げられています。

Sさん、Sくんともに、ソニー光以前には、一般就労した経験はなく、今回、福祉の作業所から、一般就労に挑戦した人たちです。

チャレンジには、当然、苦労や悩みがつきまといますが、「ほう・れん・そう」と周囲への感謝の気持ちをいつも忘れず、持ち続けていることが、ふたりの一番の魅力であり、就労に結びついた力であると思います。

ソニー光の皆さん、今日はありがとうございました。そして、これからも、どうぞ、よろしくお願いします。

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ブログをスタートします

「らいむの活動日誌」のブログをスタートします。

 このブログでは、「らいむ」の障がい者就労支援のとりくみを中心に、職員が感じたこと、考えたことをお伝えしていきたいと思っています。

 どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

 

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